罪の轍
奥田 英明
東京オリンピックを翌年にひかえた昭和38年、浅草で発生した男児誘拐事件。
しかし犯人が求めていたのは、大金でも、子供の命でもなかった。
窃盗常習の男、宇野寛治。
北海道礼文島の昆布漁に雇われ、根は悪く無い人間だけど、あちこちの家で盗みをし、北海道から東京へとたどり着く。
その男、宇野は幼い頃母親の再婚相手継父に酷い目にあわされて育てきた。
東京でも盗みをはたらき、気ままに暮らしていた。
そしてある日、小学生の男児の誘拐事件が発生した。
この時代、やっと家庭に黒電話が普及し出した頃。
携帯電話が無い時代で、警察の連携連絡もミスばかり。
縦割りの捜査本部、皆必死で事件を追う。
とても読み応えがありました。
''轍"って意味を調べてみたら、車が通った車輪の跡の事
それは、この犯人の生い立ちからを重ねているのか
暑い中の読書で更に熱くなりました。