ウェルカム・ホーム


丸山 正樹





新米介護士、大森康介。

嫌でやめたいと思ってた介護の仕事。

何処にいっても匂ってくるオムツ交換のにおい。

高校時代の友達に 

「俺も契約切れになったら、介護の仕事でもやるかなあ」と言われ、

その言い方に、皆の本音が見えた。内心では見下しているのだ。

介護でも。介護なんか。

仕事はきついし、ワクオペ長時間勤務は当たり前。

離職率は高い。

誰もがやりたがらない仕事なのだとー。



介護職について、凄くリアルに書かれていると思ったら、本書の作家さんご自身のお母様が特養に入所し、コロナ禍で亡くなっている。

そしてご自身介護ヘルパーの資格もある。


5年前に亡くなった義母、短い期間だけどデイサービスに通い、介護ヘルパーにもお世話になった。


そのうちトイレ介助やオムツが必要となり、私達も仕事をしていてお世話出来ないので施設にお世話になった。


何処の施設でも、お年寄りの行動や食事、いろんな介護は同じだと思う。


でも、病気がそうさせるのか施設に入ると、老人は何処遠くを見るような目つきになる。

それは、自分で何も出来ないもどかしさやどうにも出来ない苛立ち、恥ずかしさ、なんでしょう…



そして機械的に仕事を終わらせる職員の方

大変な仕事だから、割り切らないとやっていけないよね。


腰も痛めるし、嫌な匂いや年寄りとの関わり、同じ話を数限り無く聞かされる。


本書はまさにその現場で闘う職員の話。

ストレス満載だった彼が、段々と成長していく。

応援したくなる本です。