罪の境界
薬丸 岳
スクランブル交差点で起きた無差別通り魔事件。
被害者の願いは
自分の代わりに犠牲にとなった男の最期の言葉を伝えること。
加害者の望みは
自分を捨てた母親を探し出すこと。
通り魔無差別殺人、あってはならない事件が最近多い
犯人はむしゃくしゃしてやったとか
世間を騒がせる事を目的としたりとか
人の命を奪う権利があるのかと、腹立たしくなる
本書の被害者は身体は勿論、精神や心もズタズタにされた
その上、自分の為に犠牲で亡くなった人がいるのでさらに心が痛い
被害者を庇って犠牲で亡くなった人の情報がない
それでその人の過去を調べて、少しでもその人に寄り添いたいと思う
被害者の心や身体の傷は元には戻らない
が、時間の経過が少しずつ心を変えていく
この事件の裁判で、被害者参加制度ていうのがあるらしい
裁判所で再び加害者と会うのは、計り知れない憎しみや恨みがある
出来るなら2度と会いたくないだろう
でも辛い気持ちを相手に伝え、何故事件を起こしたか
起きてしまった悲惨な事件を、加害者だけの言葉で終わらせてはいけないとも思う
罪の境界
ひとを殺めてしまうと境界を超える
それは、どうあがいても許されることではない
苦しい内容だけど、考えさせらました。