異邦人

原田 マハ




古都、京都。
一人の女性日本画家の才能と「美」をめぐる人々の隆盛と凋落を艶やかに描く。

老舗画廊の専務、一輝と結婚した菜穂
菜穂は出産を控えて東京を離れ、京都に長逗留していた
菜穂は実家の有吉美術館の副館長で、絵画に対して並々ならぬ愛情と審美眼がある

解説の大森望さんは
見慣れているはずのものの裏側に別の顔があるというのは、本書の隠れたテーマのひとつでもある

異邦人と書いて"いりびと"と読ませる
"いりびと"とは、京都以外の土地で生まれて、京都にやってきた人を指す

そして作者はお手本として、川端康成の「古都」を参照にしているらしい

なるほどなるほど…
これは最後まで読んで改めてわかる

老舗画廊を襲う経営危機、一輝と菜穂の夫婦関係、親子関係

京都の美しい四季の移り変わりも素晴らしい

京都にいるような錯覚を覚える

サスペンスのドラマになりそうだと思ったら、昨年ドラマになったそうだ

新人女性日本画家の出会い、進展が気になり目が離せない

リッチな京都での生活、豪華絵画の取集、どれも手が届かないけれど…



その前に読んだ物



こちらは「れんげ荘物語」の第三弾

月10万円で暮らす、独身女性


落差ありすぎますが…

心温まる、ほんわか物語シリーズです