パラソルでパラシュート

一穂 ミチ




大阪の企業の受付で契約社員として働く美雨は、29歳

30歳になると契約打ち切りとなる。

雨の夜に出会った売れない芸人享(とおる)、その相方の弓彦、そして仲間の芸人たちとの交流を通して、退屈だった美雨の人生は、雨上がりの世界のように輝きはじめる。

美雨と享と弓彦の3人は、変てこな恋と友情を育てながら季節な巡り、やがてひとつの嵐が訪れ…。



売れない芸人厳しい世界なんだろ。



アリとキリギリスの世界では、心惹かれるのはキリギリスと言う美雨。


彼女が勤めている会社では、受付嬢は30歳になったら辞めなければならない。


これはセクハラに近い…

若い女の子を年齢で切り捨て、使い捨てみたいだ!

でもそれは最初からその条件での契約だから仕方ない


受付嬢って会社の顔でもあるし、容姿端麗必須。

大抵の子は、この仕事を辞める迄結婚相手を見つける


美雨も一応努力はしてたけれど、上手くいかない。

気がついたら、後一年のタイムリミットとなった。


今のところ結婚する予定もない。


親の立場としては、子供には幸せな結婚をして欲しい

親なら誰でも願う事。


昔は、結婚がゴールであったが、今は結婚はスタートだ


美雨と享と弓彦、そしてルームシェアの面々、人柄を感じる。


これから何かが起こるのか、何も起こらないのか。


結婚する事が、誰もが人生の目的だと思ってた時代。

正直今も思っているが…


子を思う親の立場として、結婚から広がる繋がり、孫を見る楽しみ、成長する楽しみ、もう自分達では出来ない事を子供達に期待をしてしまう。


この本の題名『パラソルでパラシュート』着地点が定まらないけれど、飛ぶ勇気。


決められた場所にたどり着けないかもしれないが、それでも飛んでみる。



それぞれの傘を広げて落っこちながら誰と手をつないだり離したりする。

裏返った傘、破れた傘、骨だけの傘、いろんな色の大きさの。

きっと天から見ると、遠ざかる花火のよう。

笑っていてやる、笑いながら、何でもなく、生きてやる。

        ー文中よりー




最近作った物

布バスケットです。