その扉をたたく音


瀬尾まいこ





瀬尾まいこワールドに浸ってます


今回の主人公は無職、夢はミュージシャン

29歳の宮路君


ある日、演奏に訪れた老人ホームで、神がかったサックスの音を耳にする。吹いていたのはホームの介護士渡部だった。「神様」に出会った興奮で宮路はホームに通い始め、やがて入居者とも親しくなっていく。



宮路君は働かなくても生きていける

それは実家が金持ちだから

毎月生活費が親から振り込まれる


彼は彼なりにその生活がいいとは、このまま親からの援助を受け続けようとは思っていない

だけど、どうすればいいのかわからない


サックスの上手い介護士渡部君は25歳

若いのに人間が出来てて、考え方は宮路君より随分大人で、地にしっかりと足が付いている



この本では宮路君は老人ホームに名前を書いて入館出来るが、今このコロナ禍、身内でも簡単に入れない


時代がすっかり変わってしまい、今年発行の本でも

随分昔に思ってしまう




宮路君は働いていないのでホームで「ぼんくら」と

言われる


老人ホームの毒舌婆さんとの会話もコミカルで楽しい



音楽をやりたくて始めた訳じゃなく、他にやる事が無いから音楽に逃げていた自分に気付く


そんな宮路をちゃんと見てくれてる人達を改めて気付く


「ぼんくら」宮路、扉をたたけるかな。