家の石塀の下の部分の、歩道との境目のわずかな隙間にタンポポが生え、今黄色い花を一杯に広げているよ。
タンポポは、キク科タンポポ属の多年草なんじゃ。
昔は、この草の花茎を切り出して、その両側を細く切り裂いて水に浸けると反り返り、鼓の形になるので、「鼓草」とも言ったそうな。
いずれも、食用やコーヒーの代用品、健胃などの薬用に利用できるんじゃよ。
多くは春に黄色い花を咲かせ、その後、種を付けた白い綿毛が集まってピンポン玉のようになり、一つ一つの綿毛が風に乗って飛び散るね。
「タンポポ」という名の由来は諸説あるよ。
花が終わった後の形が球状のタンポに似ているので、「タンポ穂」とよばれたとする説。
江戸時代まで「鼓草」(ツヅミグサ)と呼ばれていたが、鼓の音階である「タン」と「ポン」からという説。
などがあるね。
古くはフヂナ、タナと呼ばれていたらしいし、地方によっては、カコモコ、クジナ、クズナ、タンホホ、ツヅミグサ、デデポポ、フチナ、フジナ、タンポグサなどとも呼ばれるようじゃ。
中国名は、蒲公英(ほこうえい)で、日本でもタンポポを「蒲公英」と書くが、これは、タンポポを開花前に採って乾燥させた漢方を「蒲公英(ほうこうえい)」と呼ぶことからなんじゃ。
英語名は”dandelion”(ダンデライオン)じゃが、これは「ライオンの歯」という意味で、のこぎりのような独特の葉のギザギザを、荒々しいライオンの歯並びに例えたと言われているね。
日本で見かけるタンポポには、カントウタンポポなど古来から自生していた在来種(日本タンポポ)と、明治以降に外国から持ち込まれたセイヨウタンポポなどの外来種(帰化種)があるよ。
在来種と外来種の雑種もあるね。
在来種は外来種に比べ、開花時期が春の短い期間に限られており、群生しているね。
外来種は、一年中いつでも花を咲かせ、優性じゃ。
夏に見られるタンポポは、ほとんどが外来種のセイヨウタンポポじゃよ。
在来種
花の基部を包んでいる緑の部分である「総苞片」が、反り返っているものが外来種で、反り返っていないものが在来種なんじゃ。
外来種
しかし、雑種タンポポでも総苞片が反り返っているものもあるから、外見からだけでは判断できないようじゃね。
雑種
タンポポに含まれる成分には、健胃・利尿・催乳などの効果があるので、漢方薬として使われているね。
また、茎を使って草笛にもなるよ。
草笛光子さんは、タンポポがお好きかな?