上司のお小言が、毎回同じなのには、うんざりするよね。

耳にタコができそうだよ。

 

この「うんざり」という言葉は、同じ状態が続いたり、繰り返し行われることで、退屈してしまい、嫌な方向に気持ちが向いてしまう時に使われるよね。 

すっかり飽きてしまい、これ以上は我慢ができないと思うほど嫌気がさしてしまうことだよ。

この「うんざり」という言葉は、江戸時代から使われていたようだが、語源は、「倦む(うむ) ずあり」なんだよ。

 

退屈で嫌になるという意味の「倦む(うむ)」と、ある状態になることを表す「ずあり」が組み合わさって出来た言葉なんだ。

「倦む」+「ずあり」では「倦むずあり」となるが、読みやすく「うんざり」に変化したようだね。

 

「うんざりさせられる」と受け身の意味で使うのは、迷惑や被害を被ったというニュアンスを醸し出すことができるんだ。

「うんざりするほど」は、数が多すぎて嫌になってしまうような時に使う言葉だね。

強調して、「ほとほとうんざりさせられる」という言い方もあるね。

 

「うんざり」と仮名で書いたが、漢字で書くと「沃雑黎」となるらしい。

「沃」は、「ユ」と読むのだが、日本語の音読では「ウ」と読むんだね。

肥沃という熟語にも使われている字であり「飽(あ)く、満足する、充分である」の意味なんだよ。

「食べ飽きること」は「沃食」、「聞き飽きること」は「沃聞」、「見飽きること」は「沃看」というんだね。

 

「雑」は「ザ」、「黎」は「リ」と読み、共に「おびただしい、極めて多い」の意味がある。

 つまり、「ウンザリ」とは、「沃雑黎」の撥音便訛り読みであり、「飽きが、おびただしい」こと、つまり「すっかり飽きる」の意味になる。

この「沃雑黎」が、「うんざり」の語源なんじゃよ。

 

漢文調に漢字で書く、同じような意味の言葉には、「辟易」とか「閉口」とかあるよ。

 

ついでに「うんざり」を英語で表すと、

 

“get sick and tired of”

とか

 

“fed up with”

とかが近いようだね。

 

例文

彼女の態度には本当にうんざりしている。

I am getting so sick and tired of her attitude.

 

例文

つまらない生活はもううんざりだ。
I am so fed up with such boring life.

 

いずれにせよ、意味の「倦むずあり」という表現が変化していって「うんざり」になったという事だね。

 

調べると、色々と面白いことも出てくるが、うんざりすることも多いね。