お前さんたち、「襁褓」が読めるかな?

衣扁に「強」と、同じく衣扁に「保」だよ。

 

答えは、「むつき」だよ。

「むつき」と言っても、1月を表す和風月名の「睦月」とは違うね。

「包む布」を表す大和言葉なんじゃよ。

この「むつき」の丁寧語が「おむつき」で、それが「おむつ」になった。

そう、主に赤ちゃんが使う、下半身を包み込む布なんだよ。

 

 

おむつの歴史を紐解いてみよう。

歴史と言っても、意外に最近のものなんだがね。

 

江戸時代に、綿布や綿を素材としたおむつ「襁褓(むつき)」が利用されるようになったね。

 

大正時代になると、各家庭で綿の古着やさらし綿で作られた輪形・長方形の布おむつが主に利用されるようになった。

 

昭和33~34年頃に、乳幼児用の布おむつレンタル事業が現れた。

布おむつ・貸おむつ全盛時代と言えるね。

 

昭和52~54年頃、乳幼児用使い捨てオムツ(紙オムツ)が米国から伝来した。

また、年頃老人介護施設や病院で大人用の布おむつが浸透しだした。

 

昭和60年頃に、高分子吸収体が開発され、紙オムツの性能が飛躍的に上がった。

平成に入って、介護保険制度の発足や介護施設の人手不足などから紙オムツの利用が進みだした。

その後、環境や肌への配慮から、布おむつへの関心が高まってきたね。

 

ところで、同じものが、「おしめ」とも呼ばれるよね。

この「おしめ」という名前は、「湿布(しめし)」の丁寧語の「おしめし」から「おしめ」になったんだそうな。

以前に文部科学省が行った調査によると、「おむつ」という言葉は、老若男女すべてに対して使われるが、「おしめ」は乳幼児に対してのみ使われているそうだよ。

 

ところで、日本では「おむつ」と言えば、布製のものを指し、紙製のものは、わざわざ「紙おむつ」と言うよね。

ところが、アメリカでは ”diaper” と言うと、一般的には紙製のおむつを指し、布製の「おむつ」は、わざわざ “cloth diaper” というのだそうな。

 

東西の文化の違いが、ここにも見られるね。