丁度一週間前の6月2日に、「てんてこ舞い」の話をしたね。

笠置シヅ子の、「買い物ブギ」にある、

 

♪今日は朝から 私のお家は てんやわんやの 大さわぎ

盆と正月 一緒に来たよな てんてこまいの忙しさ…♪

 

というフレーズを引用させてもらったが、ここに「てんやわんや」という言葉が出てくるね。

この言葉の意味を調べたよ。

 

大勢の人が秩序なく動き回り、ごった返すこと。

また、そのさま。

 

とあって、用例として、

 

「宴会の準備で台所はてんやわんやだ」

 

と出ていた。

 

補足説明として、

 

「手に手に」の意の「てんでん」と、関西方言でむちゃくちゃの意の「わや」とが結合してできた語という。

獅子文六の新聞小説「てんやわんや」で広く一般に使われるようになったもの。

 

とあったよ。

 

獅子文六の、四国の田舎に疎開した男が、個性的な人たちと出会う様子を描いた、この小説は、昭和23年(1948)から24年にかけて、毎日新聞に連載されたものだね。

昭和25年(1950)には、渋谷実監督によって映画化もされているよ。

 

「てんやわんや」という言葉は、関西ではよく使われている言葉なのかね。

 

昔、「てんやわんや」という漫才コンビがいたね。

大柄で強そうな警官上がりの「獅子てんや」と、小柄で頭の禿げあがった「瀬戸わんや」との絶妙なやりとりは、楽しく見させて頂いたよ。

 

♪卵の親じゃ ピヨコちゃんじゃ、ピッピッピヨコちゃんじゃ あひるじゃ ゲッゲッ♪

 

と歌いながら、「瀬戸わんや」があひるの物まねで踊る姿は、今でも思い出すよ。

 

瀬戸わんやさんは、平成5年(1993)に、脳梗塞で67歳で亡くなったよ。

獅子てんやさんは、相棒の死後芸能界を退いたとのことで、今ご存命なら今年100歳ということになるね。