短期間にいろいろな事をこなさなければならない時ってあるよね。

あれもやらねば、これもやらねば、それにしても時間が足りない。

トイレに行く時間さえない。

こんな時、てんてこ舞いという言葉を使うよね。

 

しかし、じっくりと落ち着いて考えて見ると、不思議なこの「てんてこ舞い」って言葉、語源は何なんだろう。

 

昔、笠置シヅ子が歌った「買い物ブギ」にも、

 

♪今日は朝から 私のお家は てんやわんやの 大さわぎ

盆と正月 一緒に来たよな てんてこまいの忙しさ

何が何やら さっぱりわからず どれがどれやら さっぱりわからず

何もきかずに とんでは来たけど 何を買うやら 何処で買うやら

それがごっちゃに なりまして

わてほんまに よう言わんわ わてほんまに よう言わんわ♪

 

と歌われているね。

 

また、2016年に富士急ハイランドに開設されたタワー型アトラクションの名前がテンテコマイ(TENTEKOMAI)だよね。

キャッチコピーは 「お好きに遊ばせ」 だそうな。

説明書には次のように書いてあるよ。

高さ39メートルの鉄塔の周囲を、1人乗りの飛行機型のライドに乗って32メートルの高さまで上昇し水平旋回する。

更にはライドの左右に付いている翼を互い違いにタイミング良く動かす事によりライドが左右に揺れ、最終的には360度きりもみ回転させる事が可能。

1度回転し始めたら翼を傾けた状態でキープすれば連続回転させる事ができ、正に「テンテコマイ」な状態になるとの事。

絶叫系アトラクションの導入は、2011年開業の高飛車以来となる。

ライドは翼に受けた風の抵抗によって回転する仕組みの為、風の強さや向きによって回転数が変化する。

回転数はライド毎に計測されており、最後にスタッフが「ベスト・オブ・テンテコマイ」として最も回転したライドの番号と回転数を発表していたが、2019年未明より荷物置き場にライド毎に回転数が表示されるモニターが設置された為発表は無くなった。

2021年5月現在の最高記録は115回となっている。

 

この遊園地では、「高飛車」とか「テンテコマイ」とか、実にユニークな楽しい名前をつけるよね。

 

「てんてこ舞い」は、漢字では「天手古舞」と書くが、小学館デジタル大辞泉によると、「あわててさわぐこと」「忙しくてあわただしく立ち働くこと」とある。

 

この語源には二つの説があるようだね。

一つ目は、「てんてこ」とは祭囃子や、里神楽で使う小太鼓の音だという。

この音に合わせた舞いは「天手古舞」と言うが、この舞いが慌ただしいことから、「てんてこ舞い」は大忙しの状態を表す言葉になったという説じゃよ。

もう一つの説は、祭りの際に、山車や神輿を先導する女性が、華やかな衣装を着て舞うことを「手古舞(てこまい)」と呼んだことから、それが転じて「天手古舞」になったという説じゃよ。

 

慌てる乞食は貰いが少ないとも言われているね。

てんてこ舞いなどせずに、ゆっくり、のんびり行きたいもんだね。