戦後、進駐軍の兵士たちがジープに乗って町にやって来て、チューインガムやチョコレートを子供たちに配ったことを憶えている人は少なくなったことだろうね。。

お菓子など無かった当時の子供たちは、我先に兵士たちに群がったものだよ。

子供たちがおぼえた英語といえば、"O.K.", ”ハロー”, ”サンキュー”かな?

 

この三つの言葉の中で、”ハロー”, ”サンキュー” はわかるが、”O.K.” は異様だよね。

O.K. は、1820~1830年代のアメリカで、“All Correct” を “Oll Korrect” と、わざとミススペルで書いたことから生まれたと言われているね。

その後、1840年の大統領選挙で、ニューヨーク州 Kinderhook 出身であることから、”Old Kinderhook” というあだ名を付けられた Martin Van Buren という候補者がいて、支持者たちが、このあだ名のイニシャルをとって 「O.K.」 を合い言葉に選挙応援をしたことから、「O.K.」 という言葉が広まったとも言われているよ。

 

ところで、「O.K.牧場の決闘」という映画をご存知かな?

1881年に、アリゾナ州のトゥームストーン(Tombstone = 墓石)にある ”O.K. Corral” 近くの路上で実際にあった銃撃戦を基にした西部劇じゃ。

 

バート・ランカスター扮するワイアット・アープと、カーク・ダグラス扮するアル中の賭博師ドク・ホリデイとが、悪党のクラントン一家と、この場所で銃撃戦を行い、悪者を一掃してめでたしめでたしという筋なんじゃ。

 

実際の銃撃戦は至近距離での撃ち合いだったそうだが、決着は付かず、ワイアット・アープも指名手配されてハリウッドに逃げたんじゃ。

撮影所で演技指導などをしていた時に、自分の体験談を話したところ、映画化したら面白そうだとの声が上がり、かなり脚色した娯楽映画になったとのことだよ。

 

原題は、"Gunfight at the O.K. Corral" じゃが、この "Corral" というのは、馬を繋ぎとめる囲いとか柵のようなものなんじゃ。

しかし、日本公開の時に、題名をどうしようかと一もめしたそうな。

「O.K.柵の銃撃戦」じゃあ恰好が付かないし、そのまま「O.K.コラールの銃撃戦」としても、「コラールって何じゃ?」と言う人がきっと出てくるに違いない。

ということで、いっそのこと誇張して「O.K.牧場の決闘」にしようとなったらしいね。

 

牧場といえば、だだっ広い草原を連想するが、Corral は馬に乗って旅をしてきた人たちが、ホテルに泊まった時に、一時的に馬を繋ぎとめる、いわば馬宿なんじゃな。

 

アメリカは広いから、馬や馬車で早朝に出発して、夕方に辿り着く宿場町に、馬の繋ぎ場は欠かせないものだったんじゃろうな。

 

まぁ、日本では旅は徒歩が殆どだっただろうから、馬繋ぎ場なども、あまり無かったのかな。