昨日から大相撲が始まったね。

初日早々、大関横綱が枕を並べて討ち死にしたよ。

上位陣がたまに負けるのは面白いが、こうも負けてしまうと、不甲斐なさが目につくよね。

大相撲と言えば、力士たちの髷が特徴だね。

土俵上の大銀杏もいいが、浴衣に丁髷(ちょんまげ)で、歩く姿もいいよ。

 

ところで、犬や猫、野生の動物たちも毛が伸びすぎるという話はあまり聞かないね。

羊の毛を刈ったり、トイプードルの毛を短くしたりすることはあるが、自然界の動物たちは自分で毛を刈るなんて話はないよね。

何で人間は毛が伸びて、定期的に散髪しなければならないんだろう。

 

原始人を描いた絵を見ると、男は肩のあたりまで、女は腰のあたりまで伸ばしたままになっているね。

 

お馴染みの聖徳太子様にモデルになって頂き、男性の代表的髪型を紹介しよう。

 

古墳時代に、髪を左右に分けて結う美豆良(みずら)が現れ、後に公家の男子の髪型となった。

 

奈良時代から平安時代に、唐から冠をかぶる文化が入り、日本風の冠下という髪型が公家の間に定着した。

 

鎌倉から安土桃山時代になると、武士が兜をかぶった時に頭が蒸れないように、前頭部から頭頂部にかけての部分を指す「月代(さかやき)」を剃る「露頂(ろちょう)」が始まり、庶民の間にも広まった。

剃らなくても済む人たちも多かっただろうね。

 

江戸時代になると、油なども発達してきて、整髪しやすくなったんだね。 

月代を剃り上げ、周りの頭髪を結った髪型が流行したよ。

この髪型は本多髷 (ほんだまげ)と言うんだが、横から見ると 「ゝ(チョン)」 という字に見えるので、丁髷(ちょんまげ)と呼ばれたんだよ。

 

しかし、この丁髷は、本来は髪の少ない老人などが結う髷のことを指し、一般的に結われた髷は丁髷とは少し違った銀杏髷だったんだよ。

銀杏髷にも、武士の「大銀杏」、町人の「小銀杏」、浪人の「浪人銀杏」があったんだね。

いや、いくらわしでも、その頃の事は知らないよ。

 

いつの時代でも、成人男性の髷は、大きく分けて二つあったね。

一つは、束ねた髪を元結(もとゆい)で巻いて先端を出した、頭の後ろに茶筅を着けているような茶筅髷で、

もう一つは、元結の先端を二つ折りにした髷じゃよ。

 

元服前の男子は前髪を残し中剃りする若衆髷(わかしゅまげ)で、元服の時羅に前髪を剃り落としたんじゃよ。

明治4年に断髪令が布告され、洋髪やざんぎり頭が流行した。

「ざんぎり頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」

という歌は有名だよね。

 

大銀杏という髷は、大相撲の世界では残っているね。

十両以上の関取が、場所の取り組みの時に結う古式豊かな髪型だね。

幕下以下の力士は、大銀杏を結うことを許されていない。

早く大銀杏を結えるようになりたいと、頑張る原動力にもなっているんだね。

 

断髪令が実施されたとき、相撲界にも適用しようとしたが、ときの明治政府の高官の中に好角家が多くいて,力士風俗として結髪を従来どおり許すこととなり,今日にまで及んでいるんじゃよ。

 

力士の髷は相撲独特の風合いを残すものであり、力士の風姿を整え、頭部に受けるかもしれない不測の障害をも防ぐとも言われているね。

 

ただ、投げ合いになった時に、先に髷が着いていたとか、髷に手が入ったから反則だとかいうのは、何となく後味が悪いね。

髪の多い力士は、頭頂部を剃り落としている場合があるが、髷を結ってしまうと見た目にはわからないね。