「あべこべ」という言葉は、よく使う言葉だよね。

なにかの位置関係や順序や方向などが、本来ある関係と逆になっている時に使われるよね。

英語だと、”Opposite”  とか “Contrary” とかになるのかな。

 

久留米市に、居酒屋「あべこべ」という店があるね。

田中俊行氏の小説にも同じ題名のがあるよね。

でも、その語源や、漢字表記は、あまり知られていないんじゃないかな。

 

「あべこべ」という言葉は、江戸時代から使われていて、「彼辺此辺」または、「彼方此方」と書くのだそうな。

 

もともとは、字の通りに「あっちのほう、こっちのほう」という意味だったのが、「逆方向」という意味に使われるようになったんだね。

 

読み方も「彼辺此辺」を「かべこべ」から「あべこべ」になったようだ。

 

同じような字面で、「つべこべ」という言葉があるが、「つべこべ」はあれこれと理屈を並べ立てて、という意味で使われる言葉だね。

そんな「つべこべ」の語源は、徳島地方の方言に由来している説が有力だよ。

徳島地方の方言で「つべ」っていうのは「おしり」っていう意味があるんだ。

「こべ」は「こうべ」=「頭」っていう意味で使われている言葉なんだって。

つまり「つべこべ」は「おしりから頭まで」っていう意味で、

「おしりからあたままで理屈を並べてあれこれ言い訳する」

というような意味で使われるようになったのが始まりなんだという説じゃよ。

 

他説もあるぞ。

「あれや、これや」とブツブツ文句を言うことを昔の言葉で「つべらら、かべらや」と言っていたそうな。

語源はわからんね。

これが、「つべら、かべら」になり、「つべらこべら」と変わって、「つべこべ」になったという説じゃよ。

 

まだ説があるぞ。

「あれやこれや」とブツブツ文句を言う「つべつべ」と、油でつるつるしている様子を表した「すべすべ」とが合体して、滑らかに留まることなくうるさく言う様子を「つべすべ」と言っていたのが、「つべこべ」に変化したという説じゃが、ちょっと苦しいね。

 

まぁ、あれこれ書いてみたまでだよ。