わしが若かったころ、秋田では猫のことを「チャペ」または「チャペコ」と呼んでいたよ。

 

秋田弁では、何にでも「こ」をつけたがる。

「チャペ」も「チャペコ」だし、お金は「ジェンコ(銭こ)」になる。

 

昔、秋田の若者が東京に行くことになり、長老から、

「おめえナ、なにサでも『こ』つけんでねぇど」

と言われ、上野駅で降りてすぐ煙草を買いに行き、長老の言葉を思い出して、

「たば ください」

と言ったという笑い話も残っているよ。

 

アイヌ語で猫のことは「チャペ」と言うので、

「『チャペ』はアイヌ語からきている」

という説もあるが、

「いや、秋田弁のチャペがアイヌでも使われたんだ」

と言う人もいる。

 

秋田弁優先説の人は、アイヌでは猫を飼う習慣がなかったと言うね。

 

まぁ、可愛い呼び名だから、どっちだっていいじゃないか。

秋田の猫は、「ちゃぺ」と呼ぶと必ず「にゃー」と返事をするよ。

そういえば、昔、NHKラジオの歌番組で、

 

♪チャペよ チャペチャベ 子猫のチャペよ…♪

 

という歌を放送していたね。

今の「みんなのうた」のような番組だったと記憶しているが、何と言う歌だったんだろう。

もう一度、聞いてみたいね。