日本最初のカラー長編アニメは「白蛇伝」だね。

もともと中国には「白蛇伝」伝説があり、この伝説をもとにして日本と香港とが共同で1956年に「白夫人の妖恋」という映画を作った。

池部良、山口淑子、八千草薫らが出演していた。

残念ながら、この三人は他界されてしまったね。

 

この「白夫人の妖恋」が香港で好評だったので、これをアニメ化する計画が、香港から提案されたんだよ。

 

時代は宋(960年 - 1279年)。

場所は中国杭州市の西郊にある西湖。

この湖は杭州市の西郊にあるから西湖と名付けられたという説と、中国四大美人の西施が入水した湖だからという説があるそうな。

湖の面積は  6.5㎢ だから、山中湖と同じくらいだね。

水深は浅く、平均で1.8m 、最深部でも5m だから、日本の西湖(最深部71.7m)の方が深いね。

主人公は許仙という青年。

子供の頃に白蛇を飼っていたが、大人たちに叱られて捨ててしまった。

この白蛇が美しい少女白娘に変身して、許仙の前に現れ、二人は恋に落ちてしまう。

 

二人は許仙が飼っていたジャイアントパンダとレッサーパンダ、

それに白娘の侍女、青魚が変身した小青とともに楽しく過ごすが、高僧の法海が、白娘の正体を見抜いてしまう。

法海は許仙を救おうとして、白娘に法術で挑んだんだ。

ところが、白娘が敗れて逃げていくのを追いかけた許仙は、崖から転落して死んでしまうのだよ。

白娘は、法力を失う代わりに許仙を生き返らせてほしいと竜王に頼み、竜王は願いを叶えて

許仙を生き返らせた。

許仙を追って、嵐の湖の中で溺れかかっている白娘を見た法海は、白娘が人間になったことを知って、助けの手を差し伸べる。

 

といった筋書きだったよ。

 

声は森繁久彌と宮城まり子の二人だけ。

この後に続く、「まんが日本の昔ばなし」のお手本みたいだね。

 

このアニメは1958年の制作で、上野にジャイアントパンダのカンカンとランランが来たのは1972年だから、アニメの中のジャイアントパンダは、パンダブームのかなり前にお目見えしたことになるね。

 

アニメ制作に当たっては、事前に俳優が実際の演技をして撮ったフィルムを基にして絵を描いたのだとの事だ。

なんでも、許仙は池部良、白娘は佐久間良子、青魚は松島とも子が演じたと聞いたね。