今年は、ほぼ4年に一度の閏年、今日は2月29日だね。
太陽暦では、一年を365日としているが、実は地球が太陽の周りを一周する「公転」の時間は、365日5時間48分46秒なんだよ。
ほぼ365日だが、約6時間多くかかっているんだ。
4年経つと、約24時間多くなるから、1日増やすというわけだ。
これが閏年なんだね。
しかし、実際には6時間ではなくて5時間48分46秒だから、6時間に11分14秒足りない。
これを補正するために、西暦が100で割り切れて、400で割り切れない年は、平年とすることにしたんだ。
2100年、2200年、2300年は100で割り切れるが、400では割り切れないので、閏年にはならないことになっている。
だけど、お前さんたち、一番近い2100年でも、76年先のことだから、わしらには関係ないね。
ところで、「閏」の文字は「閏年」以外にはあまりお目にかからないよね。
「閏年」は、本来は「じゅんねん」と読むのだが、「閏」の文字が「潤(うるおい)」と似ているので、「うるうどし」と読んでしまったらしい。
「閏」の文字は、王様が門の中に入った状態を表しているね。
昔の中国の王様は、閏年には門を閉ざして執務をしなかったことから、この「閏」を閏年の意味で使うようになったとのことだよ。
紀元前45年には、ローマの英雄ユリウス・カエサルによって「ユリウス暦」が導入されたが、そこには既に閏年が規定されているというから驚きだね。
今わしは、「ユリウス・カエサル」と言ったが、昔は英語読みで、「ジュリアス・シーザー」と言っていたね。
クレオパトラが愛人で、ルビコン川を渡って攻め入った時の
「賽は投げられた」
という台詞や、トルコとの戦いで勝った時に書いた
「来た、見た、勝った」
や、ブルータスにより暗殺された時の
「ブルータス、お前もか」
という台詞はシェィクスピアも大好きだったらしく、良く知られているよね。
英語では、閏年のことを “leap year” というが、この “leap” とは、「跳びはねる」とい意味があるね。
2022年1月1日は土曜日、2023年1月1日は日曜日、2024年1月1日は月曜日 というように、同じ月日が翌年の曜日が一つずつ進むんだが、閏年の翌年は二つ進む。
来年の1月1日は水曜日だよね。
このように、曜日が「跳びはねる」とから、 “leap year” と名付けたんだそうな。
「閏」よりユーモアがあるね。
わしの友人に、2月29日生まれの男がいて、
「俺は、まだ20歳だ」
と言っていたが、「年齢計算ニ関スル法律」に、
「生まれた日を0歳として、その年の翌年以降に、該当する日(誕生日)の前日が満了するたびに、1歳ずつ加算する」
と規定されているから、2月28日か終了する刹那に、年齢が一つ増えるんだね。
自動車運転免許は、誕生日を基準として有効期間を定めているが、道路交通法では、
「2月29日生まれの人の平年における誕生日は、2月28日とみなす」
と記載されているから、平年の場合、2月29日生まれの人は、2月28日生まれの人と同じ、2月28日が運転免許証の有効期限となるんだね。
かなり前に、テレビで「私は2月30日生まれです」という人が映されていたが、父親が役場に出生届を提出した際に、役場の職員がついうっかり2月30日と記録してしまったとのこと。
公文書なので、修正するにはかなり面倒な手続きが必要だと言っていたね。