もう、ずいぶん前のことになるが、仕事でドイツのケルンに行ったんだよ。
そう、あのオーデコロンで有名なドイツ第四の都市だ。
オー・デ・コロンというのは仏蘭西語で「ケルンの水」という意味だということは知ってるよね。


あのドイツって国、今じゃEUの中の指導者として他の諸国を牽引しているが、あの国の歴史はそれほど古くまでは遡らないんだよね。


一体に、西ヨーロッパ半島はインド亜大陸とそれほど広さが変わらない中に、丁抹、和蘭、白耳義、独逸、盧森堡、仏蘭西、瑞西、墺太利、伊太利、西班牙、葡萄牙、希臘などの国々が犇めいておる。


なに? 漢字が読めないって? それぞれデンマーク、オランダ、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルグ、フランス、スイス、オーストリア、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャと読むんだよ。
もっとも、西班牙と葡萄牙はイベリア半島、伊太利と希臘は独立した半島だという見方もあるがね。


えっ? 何を言おうとしていたんだっけ? そうそう、ドイツだよ。西ヨーロッパ半島は古代から様々な人種の争いの場になっていて、ドイツのライン川の東とドナウ川の北の地帯は、昔は不毛の森林地帯だったそうな。
いや、いくら私でもその頃のことは知らないよ。ロビンフッドが活躍したのも、このような森の中だったのかね。


375年にバルト海の東方に居たゲルマン民族の一派であるゴート族がフン族に追われて、当時ローマ帝国が治めていた現在のドイツの地に進出してきた事件は、ゲルマン民族の大移動として有名だよね。
その後も南のローマ、東の蒙古民族などとの戦いを繰り返し、統一されたのは19世紀に入ってからなんだね。


統一後にも、第一次、第二次世界大戦の当事者となり、東西に分割され、やっと統一されたのは1990年10月3日なのだから、世界最初のデジカメが開発された後なんだね。

この10月3日は統一記念日として祝日になっている。私の滞在中にこの統一記念日に遭ったよ。
ケルンの町は人ごみでごったがえし、若者たちが広場に集まって何やら楽しそうに大声で喚きあっている。


いや、彼らの真ん中にヒトラーは居なかったがね。


前夜祭というのか、前の日の夕方にホテルのそばの広場に若者たちが集まり、小雨模様の肌寒い中でみんなバンツ一枚になって騒いでいた。

 


もちろん、女性もいたよ。男性が居たかどうかは、よく見なかったがね。
脱ぎ捨てた衣服は、広場に何やら文字を描いたように整然と並べられていた。何を意味するのか分からなかったが、詮索する必要も無いくらい目の保養になったよ。