ドイツの有名な詩人であり哲学者でもあるJohanm Wolfgang von Goetheを知っていなさるかな?
私の学生時代は、彼の1774年の著書「若きウェルテルの悩み」をもじって「若き飢えてるの悩み」などと言う言葉が横行したものだよ。


ところで、彼の名前 Goethe は日本語のカタカナ表記では表せないため、古来、「ギョエテ」「ゲョエテ」「ギョーツ」「グーテ」「ゲエテ」など数十種類にものぼる表記が存在したとのことだ。
斎藤緑雨の川柳に「ギョーテとは俺のことかとゲーテ言い」というのがある。
「ゲーテ」の部分は、ドイツ語の「O-ウムラウト」で発音しなくちゃ、この川柳の面白さは半減するね。


しかし、ゲーテはともかく、外国語を日本語で表記したものが多いが、中にはいい加減なものもあるね。特に固有名詞の場合、それが日本語化された表記であることを知らないで外人と話して恥をかくこともある。


人名では、Thomas Edison がエジソンになり、Mahatma Gandhi がガンジーになり、Amedeo Clemente Modigliani がモジニアニになったなどが代表的なところかな。
地名の方は、実際にその土地に行こうとして行けなくなることがあるかも知れないよ。


米国には California 州に Orland という町があり、Florida 州には Orlando という町がある。Austria には Auland があり、Finland には Aland 諸島 (Landskapet Aland) がある。
これらは日本では全部「ーランド」と表記されていて、誰が決めたか知らないが、最初の「オ」にアクセントを置いて強く発音しておる。


もしも、Los Angeles あたりの空港でフロリダの「オーランド」行きの航空券を求めようとしたら、あまりの安さに驚くだろう。その代わり、飛行機は東に飛ばずに、まっすぐ北に向かうだろう。
Florida に行きたければ「オンドー」と言わなければならない。
同じように、Cololado は「コロラド」ではなくて「コロド」だし、Barcelona は「バルロナ」ではなくて「バルセゥナ」が近い。


昔、Los Angeles から Ottawa に行こうとして、空港で「ッタワ」と言ったが通じなかった。当時の学校の授業では Ottawa は「ッタワ」だと教えておったわ
タワ」とか「オワ」とか言っても、向こうはキョトンとしている。仕方がないから "Capital of Canada" と言ったら、判ったという喜びの表情を露わにして、「おぅ、ラワ!!」と言いおったわ