若葉のようなライトグリーン
2016・7・3~徳島・板野町~
さらなる期待感を感じさせる時間だった。あすたむらんどであった「おかげさまで15周年イベント アイドルLIVE」。Baby dolls、S☆KIP、きみともキャンディ、BUNNY KISSの4組とともに共演した愛の葉ガールズからは美紀ちゃん、未唯、理梨花、Rio、そして萌景が出演した。この日の注目はただひとつ。レギュラー昇格後、初めてのステージとなる萌景のイメージカラーが何色なのか?萌景推しでなくとも気になるポイントだった。1部のライブ。萌景はステージ横から先頭で登場した。黒のTシャツとパニエという衣装だったが、その色はライトグリーン。つまり、黄緑だった。
曇り空という予報が見事にはずれて、この日は晴天。陽光をさんさんと浴びて、黄緑色のパニエがとても輝いていた。最初の「モノクロ」ではちょっぴり緊張気味の表情だったけど、2曲目の「いついつまでも」では、いつも通りの萌景スマイル全開。バックに写る木々と絡むと、黄緑色のパニエがよく映えた。軽やかにステップを踏む萌景はとても楽しそうに見えた。
最初のMC。一列に並んであいさつし、それぞれが自己紹介した。こうやって並ぶと、よく分かるよね。イメージカラーって、基本的には原色が多い。だから、黄緑色は美紀ちゃんのピンクとか、未唯の紫色と比べると、とても鮮やかな色に見える。こういった色は似合う、似合わないっていうのがはっきり分かれるけど、萌景はよく似合っているなって思った。
正直に言うと、最初は拍子抜けした。自分の勝手な予想で、てっきり黄色を受け継ぐと思っていたからだ。咲葉良が昨年末に卒業した。萌景は研修生時代、咲葉良をお姉さんのように慕い、尊敬していた。萌景自身、黄色を狙っていたと聞いていたから、半年間の空白期間を経て、黄色の復活―。そんな青写真を頭のなかで思い描いていた。実際、レギュラー昇格後のサインがほしくて、黄色のサインペンも購入していた。
でも、いろんな関係者に話を聞くと納得できた。主に愛媛県内のいろんな場所でのイベントに参加している愛の葉ガールズ。出向き先の長い付き合いのある業者さんの間では「黄色=田中咲葉良」というイメージが定着しているそうだ。発足当初からのメンバーでもあったし、卒業してからも変わらないという。だから、愛の葉に加入して1年足らずの萌景が黄色をつけることは、いろんな意味で難しいとのことだった。
まだまだ経験と実績の少ない萌景にとっては、咲葉良はいまでも大きな存在。あこがれの先輩に追いつこうと、がむしゃらに頑張ってきた。だから、本音の部分では「咲葉良魂」を受け継ごうと、黄色をつけたかったと思うけど…。でも、考えようによってはニュー・大本萌景を築き上げる大きなチャンス。黄緑色は咲葉良の黄色と統括リーダー・きよらの緑色をミックスした色でもあるしね。大きな期待を受けてのライトグリーンと考えてもいいはずだ。
そんなふうに考えたら、黄緑色のパニエがとてもいい色に思えてきた。プロ野球選手が他球団に移籍した時、新しいユニホーム姿に違和感を感じることがある。でも、見慣れてくると、それがとてもしっくりしてくる。アイドルもしかり。萌景は研修生時代、白色のパニエをつけていた。紺色とか青系統の色が似合うよなあって勝手に思っていたけど、黄緑は黄緑で、とても似合っているなって思った。早く、いろんな人にも「黄緑=大本萌景」っていうイメージが定着したらいいなあ。
1部では三つ編みをしていたが、2部では髪を下ろしていた。「オレンジモンスター」からスタート。1部とは違って、最初からエンジン全開だった。2部はスタンディングでのライブとなったので、1部とは違った角度から撮影。青空をバックに入れてのカットだと、萌景のクシャクシャの笑顔がより一層、かわいく見えた。
いつもは撮れない真横からも狙ってみた。「アグリズム」で、横を向いて右腕を挙げる振り付け。人さし指を天に突き上げて笑う姿がとても大きく感じられた。出始めのころは先輩の後ろ姿を見ながら自信なさげに踊っていた萌景も、約1年間の活動期間を経て、堂々と体を100%動かしている。レギュラー初ステージでもあるし、1部の時の緊張からもいい意味で解放されたのかもしれないね。
この日は愛の葉ファンだけではない。S☆KIPやBUNNY KISSなど、ほかのグループのファンも大勢駆けつけていた。ステージから見える景色はもちろん、いつもとは違っているはず。そんななかでも、14歳の中学3年生は気後れすることなく歌っていた。自分が14歳のころ、こんなに肝が据わっていただろうか…。
後ろ姿を見ながら、そんなことを考えていると、真横を向いた萌景とファインダー越しに目が合った。カラーボールを抱きながら、ジーッと見つめられた。いわゆる、萌景の視線を独り占め状態だ。横から見ているファンは数えるほど。なんだかんだ言いながら、萌景はいつもやさしいレスを送ってくれる。萌景推しとして、本当にうれしい瞬間だった。
「アグリズム」の時、萌景だけでなく、メンバーみんながカラーボールを持っていた。1部の時もそうだったが、そのボールには何かが書かれていて、萌景は青色と赤色を持っていた。1部では取れなかった。ほしいなあと思って、正面後方に移動。すると、萌景が赤いボールを自分の方向に投げた。でも、まったく届かず。今回もダメか…。そう思っていたら、前方からボールがバウンドしてきて、ちょうど自分の前に転がってきた。ラッキー!!ほかのメンバーのボールでもうれしいけど、推しのボールだから、うれしさ倍増だ。
1部の物販の時、ボールをつかんだファンがメンバーから投げキスをされていた。いいなあ、萌景に投げキスされたいなあと思っていたので、ボールをゲットした時にはガッツポーズした。いざ、喜んで萌景のところへ。ボールを見せると、彼女は「何もないよ~」とつれない声。えー、なんで??「それ、サインボールだもん」。自分のボールを見てみると、メンバー全員のサインが書かれていた。よくよく聞けば、ボールに書かれたクイズに正解すると、メンバーからの「ご褒美」がもらえるという。つまり、自分のボールにはクイズが書かれていないから、その権利すらないというわけだ。サインボールは1個だけだからレアらしいけど、萌景からのご褒美のほうがよかったな…。残念…。
物販の時、色紙にサインをしてもらった。研修生時代には日付と名前だけだったが、レギュラーに昇格したので、サインとメッセージも書けるようになった。サインはどんなのだろう?と楽しみにしていたが、萌景の2文字の頭と横に、若葉の絵が描かれていた。なるほど。萌景はレギュラーグループ・Leafのなかでは一番下で、若葉のような存在でもある。真の意味では、ここからが本当のスタート。だから、若葉はこれから成長していく自身を表しているんだろうなって思った。
色紙を持ってもらって写真を撮ろうとしたら、萌景が色紙をクルクルと回し始めた。お~い、撮れないでしょ?そうツッコんでも、ケラケラ笑いながら回し続ける。ホント、イジワルなところは研修生時代から変わらない…。でも、そんなところがかわいくてたまらないんだよね。ライトグリーン、いい色だと思うよ。早く定着するといいね。そう言うと「頑張るよ」と笑った。推しの新たなスタートを見に、徳島まで来てよかった。そして、もっともっと大きくなってほしいと願った1日だった。