おはよっ! | フーテンの横チン

おはよっ!


2016・6・11~愛媛・松山市~
 いつもキラキラ輝いている笑顔が、さらにまぶしく見えた。フジグラン松山であった地産地消フェア。午前中に、1回目のゆるキャラショーがあった。愛の葉からは、愛ちゃんと萌景が担当。たくさんのちびっ子といっしょに「ようかい体操第一」や「おどるポンポコリン」などを踊った。ゆるキャラショーを見るのはけっこう久しぶり。個人的には、ライブよりも好きなんだよね。

 この日のステージには、みきゃん、ダークみきゃん、にゃんよ、いのとん、えやろのゆるキャラ5体が登場。横チン的ベスト3(1位・にゃんよ、2位・いのとん、3位・ダークみきゃん)がそろっていたこともあって、ちびっ子以上楽しみにしていた。にゃんよは愛きょうがある顔をしているし、いのとんは相変わらずかわいい。でも、一番うれしかったのは、萌景がいつも以上に楽しそうにダンスしていることだった。

 ダンスを始める前、2人はゆるキャラをそれぞれ紹介した。現在開催中の南予博をPRするにゃんよについて説明する萌景。この日は後ろ髪を上方でまとめたうえでおろしていた。サイドポニーやツインテールもいいけど、やっぱりおろしているのが一番いいなあ。子どもたちに声をかけながら踊る彼女を、いつもとは違った目で見つめていた。

 「おはよっ!」。ゆるキャラショーが始まるのをステージ前で待っていると、大きな声が耳元で聞こえた。誰だか、振り向かなくても分かる。萌景だ。目で行方を追うと、自分のほうを向いて満面の笑みを浮かべていた。自分も笑顔で手を振った。めっちゃ、びっくりしたけど、めっちゃ、うれしかった。萌景からあいさつをしてくれたのは、自分の記憶が正しければ、初めてだったからだ。

 いつものパターンなら、自分から「おはよう」と声をかけ、萌景が笑顔で返すパターンが多い。販売応援をしている最中は特にそうだ。あるいは、お互いが目を合わせて笑顔であいさつする。だから、ほかのファンにはどう対応しているのかは分からないけれど、この日のように萌景から自分に「おはよっ!」と声をかけてくれるのはとても珍しいことだったのだ。

 「あいさつ」は萌景なりの接し方だったんだろうなあ。実は、ゆるキャラショーの前、萌景たちは販売応援をしていた。自分と萌景の間でいろいろとあったので、自分から声をかけたり、接触したりできず、彼女の前を「避けて」通っていた…。まだ怒っているんだろうなって思っていたからだ。ホント、情けない…。でも、そんな自分の内面を、萌景が察してくれたんだろうな…。14歳の女の子に気を使わせてしまって申し訳ないと思いつつ、感謝でいっぱいだった。のどにつかえていたものがスッと取れた。

 子どもたちといっしょに、かるたをする萌景。愛きょうのある笑顔で対応していた。萌景を好きになって、推しになって何カ月、経っただろうか。彼女の笑顔を見ることが毎週の楽しみで、愛の葉のイベントに通っている。女の子の笑顔にはめっぽう弱い自分。子どもたちの笑顔も好きだけど、萌景の笑顔はもっと好きだ。

 七色の笑顔を持つ萌景。どのスマイルも好きなんだけど、鼻にしわを寄せて、目を細めてギュッとなる笑顔が一番好きなんだよね。何回見ても、飽きることのない笑顔ってホントにあるんだね。「はい、おひざに手を置いてね」。そう言いながら、目の前にいる女の子を笑顔で見つめる萌景。見ているだけで笑顔になれる。

 ゆるキャラショーとかるたの間には、いつものように販売応援に戻った。萌景がちょうど、自分の仕事でもお世話になったお店のブースに立っていたので、あいさつがてら近づいた。萌景も何度も販売応援をしているブースだったので、ご主人は自分が萌景推しだということを知っている。雑談している時、ご主人が「萌景ちゃんの笑顔を見たら、疲れが吹っ飛ぶよ」と笑った。

 ちょうど、萌景はお客さんに応対していて聞いていなかったので、教えてあげると「本当ですか?」と喜んでいた。そう思っているのは自分も同じだ。オレも萌景の笑顔を見たくて来とるんよ。萌景の笑顔を見たら、元気になれるんだから。そう言うと「えー、本当?」と、ちょっぴり疑うような顔をしながらも、うれしそうに笑った。そういえば、萌景にこんなことを言ったのは初めてかも。

 愛の葉のメンバーはみんな、笑顔がすてきだけど、萌景の笑顔は自分にとって特別なもの。生きるエネルギー源なのだ。どんなにイヤなことがあっても、萌景の笑顔を見たら、一瞬にして忘れることができる。一方で、萌景が沈んだ顔をしていたら、自分もなんだか落ち込んでしまう。だから、彼女にはいつも、心から笑っていてほしい。抱っこされている男の子に120%スマイルを見せる萌景を見ながら、ちゃんと支えていかなきゃなって思った。