5カ月後の成長 | フーテンの横チン

5カ月後の成長


2016・4・3~愛媛・松山市~
 うまくなったなあ。正直な感想だった。まつちかタウンであった「創業45周年記念 まつちか花咲か誕生祭」の最終日。日本で2番目に短い商店街をぶらぶら歩いていたら、聞き覚えのある声が聞こえてきた。推しなんだから、すぐに分かる。ステージがある噴水広場に行くと、萌景がマイクを持って、イベントの案内役をしていた。なんと、1人でこなしていた。

 萌景はまだ研修生。本来であれば、きよらや未唯ら先輩、あるいはスタッフが横にいて、アドバイスを受けながらマイクを握っているのが普通だろう。でも、まさに正真正銘の1人。真剣な表情で資料を見ながら、まつちかタウンにある店舗の紹介や、イベントの案内をしていた。時々、噛んだりする場面もあったが、不思議と安心して見ていられた。

 インターバル中も資料を見ながら練習をする萌景が頼もしく映った。昨年11月1日、フジグラン新居浜でのイベント。午前中のゆるキャラショーが終わった後、咲葉良に突然、初めての食レポを任された。そして、夕方には館内放送も。ともに咲葉良のアドバイスを受けながら、なんとか責任を果たし、拍手でほめられていた。あれから約5カ月。店舗のお手伝いや食レポ、司会も多くこなし、経験も積んだことで、場慣れしてきたんだろうね。

 だから、途中で笑顔を見せる余裕もある。この日は松山春まつりもあって、多くの買い物客、観光客が通り、たくさんの視線を集めるなかでの約30分の「大役」だったが、きっちりとこなしていた。右の親指と人さし指で丸をつくって、目の前にいる萌景に「合格!」とジェスチャーを送った。気づいた萌景はほんの少しだけ笑ったが、すぐに首をひねった。納得が行っていないんだろうな。負けず嫌いな性格が表情ににじんでいた。

 ライブだけに出演する普通のアイドルとは違い、農業アイドルの愛の葉ガールズは各店舗のお手伝いやイベントの司会など、数多くをこなす。ゆるキャラショーもそのひとつだ。午後の2部では、萌景は未唯、莉緒、愛美ちゃん、そして、ゆるキャラのみきゃん、にゃんよと出演。子どもたちといっしょに、3曲を歌って踊った。

 この日は映画ドラえもんのなかで流れる「ウンタカダンス」も披露された。定期公演などでは披露しているが、ゆるキャラショーでは初めて。多くの子どもたちといっしょに楽しそうに踊る萌景を撮っていると、とてもうれしくなっている自分がいた。萌景が着実に成長しているって実感できたからだった。

 個人的には、ライブよりも、ゆるキャラショーなどのイベントに出演している萌景たちを見ることが好きだ。ライブでは分からない彼女たちの人となりがかいま見えるからだ。萌景には小学生の弟がいる。いつもいっしょに遊んでいるだろうから、子どもたちの応対のしかたがうまい。それに、本当に子どもが好きなんだなっていうのも感じられる。そんな萌景を見たり、写真を撮ることが楽しい。

 とは言いつつ、ライブも楽しんでいる自分がいるんだけどね。この日は午前と午後の計2回。白セーラーの衣装で登場し「君☆好き」からスタートした。最近、萌景は頭頂部の中央に編み込みをしていることが多い。とても似合っているね。お気に入りの髪型なのかな?

 この日の愛の葉は松山班と八幡浜班のふた手に分かれてのイベント出演。いつもより人数が少ないため、通常はバックダンサーの萌景も最初からマイクを持って踊っていた。新曲「モノクロ」の時には自分のパートもあった。普通は歌うことはないから、とてもうれしそうだった。

 きよら、未唯の間に挟まれてダンスする萌景。なんだろうなあ、何の違和感もないんだよね。2月の定期公演では残念ながら、昇格試験の不合格が発表された。悔し涙を目に浮かべた彼女の顔はいまでもはっきりと覚えている。歌やダンスなど、さまざまな分野の試験があり、突破は容易ではないみたいだけど、萌景なら大丈夫。一日も早く、レギュラーとしてステージに上がる姿を見たい。

 萌景にひどいことをしてしまい、自戒の意味をこめて、しばらく自主謹慎をしていた。推しに会えないことがつらくて、時間も長く感じられた。やっぱり、彼女の笑顔を見ると、元気になれるんだよね。たくさんのスマイルにふれて、あらためて分かった。ファインダー越しに目が合った。きれいな目、そして笑顔。やっぱり、好きだ。これからもずっと、萌景を応援していく。シャッターを切りながら、そう思った。