モノクロ萌景
2016・2・7~愛媛・松山市~
最後の最後で登場した。愛の葉ガールズの7枚目のニューシングル「モノクロ」のリリースイベント。4店舗目となった明屋書店石井店。アンコールで再登場すると、6人が自分の位置に立った。萌景は…。おっ、最後列に立った!80年代のニューミュージックを思い出させるシンセサイザーのメロディに乗ってイントロが鳴り響くと、ほかの5人と同じようにカッコいい振りつけで踊り始めた。萌景にとってはこの日、初めての「出演」だった。
出演メンバーはきよら、SACKY、美紀ちゃん、愛ちゃん、莉緒、そして萌景。6人だから、萌景もステージで踊るものだと思っていた。しかし、登場したのはレギュラーの5人だけ。研修生という立場の萌景はステージの裾で手拍子をしていた。最後のリリイベ会場でも同じだった。登場するのはMCだけ。ジャケットに写っているのはレギュラーだけだから、やっぱり出られないのかな…。踊れないのか…。そんな沈んだ気分で写真を撮っていた。
だから、アンコールでほかの5人といっしょに立った時は、めっちゃ興奮した。この日は新衣装の初お披露目でもある。心の中にある善と光の白、悪と闇の黒がコンセプトで、萌景は白のシャツにパニエ、黒のコルセットという出で立ちだった。最後列で踊る萌景を追った。めっちゃ楽しそうに踊っていた。顔をくしゃくしゃにした、いつもの萌景スマイルが復活していた。心からうれしそうな笑顔はこの日、初めて見た気がした。
そりゃ、そうだよな。やっと、輪の中に入れたんだからね。それまで踊れずに広がっていたモヤモヤを振り払うかのように、激しく踊っていた。髪を振り乱しながら顔を上げる振りつけ。1月31日のAコープ西日本いまばり愛彩店1周年フェアで初めてモノクロを見た時、1番のサビを終わった直後のこの振りつけが絵になると思っていた。うん、やっぱりいい!
この新曲はハタダの「どら一」のCМソングにもなっている。1店舗目のTSUTAYAフジ垣生店には、畑田社長が応援に駆けつけていた。この日はCDを購入すると、どら一が1個付いてきた。リリイベ終了後にはメンバーといっしょに記念写真。真ん中に立っている畑田社長、うらやましい…。
1店舗から、多くのファンが駆けつけ、会場はにぎわいを見せていた。2店舗目となったcafeジオフロントでも同じ。照明が少し落とされた、シックな雰囲気が漂うなかでのステージだった。ライブ終了後の物販。萌景はSACKY、莉緒といっしょに、笑顔でファンに声をかけていた。
本当、正直で分かりやすい子だ。昨年8月に初めて見た時から思っていることだけど、萌景はその時の心情が顔にすぐに出る。ステージに立てない時、マイクを持てない時などなど。3店舗目のTSUTAYA三津店でも、ライブのステージには立てなかった。MCの最中、レンズ越しに萌景と目が合った。少しはにかみながらの笑顔だった。
彼女は七色の笑顔を持っている。この笑顔からはちょっぴり悔しそうな感情がにじみ出ているって思った。笑顔の裏にある負けず嫌いの性格が表れていた。同じ「天使」の白衣装の美紀ちゃん、愛ちゃんと並んでいる時も、いつものイベントで見せるような愛きょうある笑顔はなかった。まあ、しかたないか…。
物販に並んだ時、聞いてみた。きょうはもう、ステージに立てないの?「きょうはレギュラーだけだからね…」。そっか。正直、萌景がいないと、撮りがいがないんよ。オレは萌景を撮りに来ているから。「うん、ありがとう。これからのふだんのイベントでは踊れると思うから、その時にいっぱい撮ってよ」。分かった。「うん」。その後は、いつものイベント中には聞けないことも聞いた。実際に話をして、やっぱりいつもの元気はないな…と、あらためて思った。
でも、そんなマイナスな笑顔はアンコールの「モノクロ」の時には消え去っていた。いつものイベントで見せる、いつものイキイキとした笑顔。そして、カッコいい表情がたくさん飛び交っていた。やっぱり、萌景はこうでなくっちゃね。それにしても、このコルセット、きつそうだな。いくら細身とはいえ、踊りにくいだろうな…。そんなことも考えられるくらい、自分の心境も晴れやかになっていた。やっぱり、萌景を撮ることは楽しいね。
120%のパフォーマンスで踊り切った。そんな思いが萌景の笑顔に凝縮されていた気がした。この3分34秒は萌景だけにレンズを向けていた。本当、楽しそうな表情だった。1曲も踊れずに終わるのと、1曲でも踊って終わるのとでは全然違う。だから、萌景は会場からわき上がったアンコールがうれしかったに違いない。やっぱり、笑顔の萌景をたくさん見たい。たくさん撮りたい。あらためて、そう思った1日だった。










