夢に向かっての卒業 | フーテンの横チン

夢に向かっての卒業


2015・11・15~愛媛・松山市~
 飛躍のための旅立ちだ。愛の葉ガールズのサブリーダー・田中咲葉良が12月28日に卒業することを発表した。各地のイベント終了後にあった「えのはうす」。きよらやSACKYら全メンバーが見守るなか、駆けつけた約40人のファンの前に立った咲葉良はいつものように笑顔で、思いを口にした。

 「私、田中咲葉良は12月28日をもって、愛の葉ガールズのチームEを卒業します」。静まりかえるファンに「驚かせてしまって、すいません。でも、本当です」と頭を下げ、そして理由を話し始めた。「女優になりたいという思いが昔からありました。その夢に向かっていきたいと思い、卒業を決めました」。佐々木社長らスタッフとこれまで何度も話し合った末の決断。もちろん、前向きな卒業だ。女優業はもちろん、モデルや司会業など、幅広く挑戦するという。アナウンサーばりの抜群のMC力を持つ彼女なら、やれると思っている。

 卒業が近いんだろうなという前兆や予感は何度もあった。最初に感じたのは8月9日の松山まつり。愛の葉eggすのライブがあったのだが、ステージ上に登場したのはユニット結成当初のメンバーでもある未唯、愛ちゃん。そして、理梨花、莉緒、ほのかの5人だった。曲が終わった後、ステージ横から、セーラーの衣装を着た咲葉良が登場すると、未唯は「咲葉良さんはeggすから卒業です」と突き放していた。この時は新生eggす結成のためでもあるんだろうなと思っていた。
 予感が確信に変わったのは11月1日、フジグラン新居浜での地産地消フェア。ライブ終了後、まだ研修生のほのかに、唐突に初めての食レポの任務を課した。緊張しまくりのほのかの横でしっかりとサポート。そして、館内放送も2度、ほのかに任せた。もちろん、かわいい後輩を育てるための一環だったのだろうが、その光景はまるで「引き継ぎ」をしているかのようにも見えた。 

 同月7日のハタダ栗タルト祭り。咲葉良はライブ中、ほとんどの曲でマイクを持たず、バックダンサーをしていた。未唯をのぞくフルメンバーがそろうなかで、ほのかが本格的にマイクを持った日だった。そして前日14日の北条ふれあい農業祭り。愛の葉メンバーからは咲葉良ただ1人が出演した。バックダンサーがいるなかでのステージだったが、事実上の咲葉良のワンマンショー。卒業への第一歩でもあり「お祝い」にも感じ取れた。
 卒業するならいまだろう、と直感したのかもしれない。これまでどおり、きよらがリーダーとしてチームを引っ張ってくれる。そして、SACKYが成長しているからね。イベント前のリハーサルでは、ステージ前に立ち、きよらや咲葉良ら先輩にもさまざまな指示を出している。その光景を見て、ダンスのリーダー的役割をこなしているのだろうと思った。2人の大きな存在感、そして若手の成長を感じ取ったから、卒業を心に決めたのもかもしれない。 

 ひと通りの卒業発表のあいさつが終わった後、咲葉良らメンバーが各テーブルに分かれ、ファンとの交流タイムに入った。咲葉良は美紀ちゃんといっしょに各テーブルを回っていた。そして、自分の席にやってくると、咲葉良はいきなり「横チン、これからもほのかをしっかりと支えてあげてね」とお願いしてきた。みんなの前で言われてびっくりしたけど、もちろん、しっかりとうなずいた。帰り際にも「ほのかの写真をいっぱい撮って、支えてあげてよ」と念押しされた。こんなふうに言われたのは、実は初めてではなかった。
 11月1日のフジグラン新居浜で、ほのかの食レポの感想を聞いていると「ほのかちゃんをしっかりと支えてあげてね」と言われたのだ。ほのかを推すと決めた10月10日の今治せんいまつりの時には「横チンはほのかちゃんのことが好きなんでしょ?」とズバリ聞かれた。それも、横に彼女がいる状況でだ。でも、これら一連の発言は咲葉良なりに考えての「引き継ぎ」だったんだろうなと、いまなら思える。本人の前で言われてめっちゃ恥ずかしかったけど、同時にとてもうれしかった。もちろん、これからもほのかを自分なりに支えていきたいと思っている。

 交流タイムが終わった後は全メンバーがビニールハウス内にあるステージに並んで、アカペラで「君☆好き」を披露した。手拍子をしながら、ファンといっしょに歌い、踊った。最初は並んで歌っていたが、メンバーに背中を押された咲葉良はファンの席に近づき、たくさんの咲葉良スマイルを振りまいた。本当に楽しそうな表情だった。

 卒業ライブは12月26日、卒業式(感謝のつどい)は同月28日に行われる予定。卒業に向けて、ほかにも特別イベントもあるという。愛の葉ガールズ結成当初からのメンバーでもあり、ファンに愛された咲葉良。この日は笑顔ばかりだったけど「その日」が近づくにつれて、実感が深まってくるんだろうなあ。「これからも、愛の葉ガールズを温かく応援してください」と、あらためてファンに頭を下げた。卒業はさみしいけれど、アイドル最後の日までしっかりと見届けるつもり。そして、咲葉良とかわした「約束」はもちろん守るよ。