プレイバック・和佳音 21
2014・10・11~愛媛・松山市~
うーたん、空ぽん、りさりさがアンコールでそれぞれ、先輩グループであるひめキュンフルーツ缶の曲をソロで披露。会場は大きく盛り上がりつつも、一方で寂しさも同時に募った。卒業公演を観るのは初めてだけど、やっぱりしんみりするな…。そんなことを思っていると、残りのメンバー6人が再登場。卒業する3人への感謝の手紙が送られた。うーたんには、りっちゃん。りさりさには、まーちゃん。そして、空ぽんには和佳音が代表して読んだ。和佳音と空ぽんは同じ小学校で、仲がいいっていうことは知っていた。和佳音の口から出る言葉をじっくり聞くと、空ぽんの存在がAiCune・村田和佳音に大きく影響していたことが分かった。
和佳音は以前、nanoCUNEの一員として活動していたが、学業優先のために卒業していた。普通の女子中学生だった2013年10月。松山市内でのあるイベントに2人がいっしょに行った時、空ぽんが「いっしょにAiCuneに入ろう」と誘ったという。「ぽんが誘ってくれなかったら、いまの和佳音はいません。ぽんには本当に感謝しています」。そういえば、ある日のブログでも、和佳音はnanoCUNEを辞めたことをしきりに後悔していることをつづっていた。学年は違うけど、買いものに行って遊んだり、AiCuneでの活動でもお互いを励まし合ってきたという。そういう間柄の空ぽんの声だったからこそ、和佳音は一歩、足を踏み出せたのかもしれない。
AiCuneを知ったのは7月の大街道での盆踊り。それも夜市に行った時に、たまたま見たのだ。それまで地元アイドルにはまったく関心がなかったわけだから、和佳音がnanoCUNEのメンバーだったことも知っているわけがなかった。だから、空ぽんがいなければ、和佳音と出会うこともなかったというわけだ。そうだったのか…。一文字、一文字、思い出を噛みしめながら話す和佳音。そして、涙目で聞いている空ぽん。仲良しの2人を撮りながら「空ぽん、ありがとう」と、つぶやいていた。空ぽんがいたからこそ、自分は和佳音を知ることができて、応援することができているわけだからね。
「あしたは泣かない!」と宣言していた和佳音だけど、最初に「空ぽん、卒業おめでとう」と言った瞬間、泣いてしまった。そりゃ、そうだよね。公私ともに、うれしいことも、悔しいことも分かち合ってきた友との別れは悲しい。「本当は卒業しないでって言いたいけど…。卒業しても、いっしょに遊びに行こうね。ぽんは大切な親友です。デブスリー(和佳音、空ぽん、りさりさ)は永遠です。空ぽん、大、大、大好きです」。読み終わった後、2人は抱き合った。泣きながら抱き合っていたけど、途中から、2人はなぜか大笑いし始めた。和佳音と空ぽんは本当に仲がいいんだな…。ほほえましい光景だった。
手紙の後は「キラキラレボリューション」。よく見ると、空ぽんは和佳音からもらった手紙を持ったまま踊っていた。ちょっぴり笑ってしまったが、こういうのも卒業公演ならではだね。9人で歌って踊るのは、これで最後か…。そう思っていると、きらちゃんが「みなさん、まだ歌っていない曲がありますよね?」と聞いてきた。「YOKOZUNA」だ。空ぽんのためにつくられた曲だという。曲中には、メンバーが相撲を取る場面が見られる。和佳音はうーたんと組み合っていた。うーたんのことは妹のようにかわいがっていた。目をまん丸くして相撲を取る2人が、なんだかおかしかった。こんな楽しいシーンを見られるのは、これで最後か…。そう思うと、無性にさみしくなってきた。
握手会では最初に、和佳音の列に並んだ。順番が回ってきた。目の前にいた和佳音はいつもの彼女ではなかった。「ヤッホー、横チン」。そう声をかけてきた彼女は無理に笑っている感じがした。やっぱり、さみしいよね。そう声をかけると「さみしいよ…」。しんみりしてしまって、あまり話がはずまなかった。3人のところに並んできていい?そう尋ねると「もちろん。3人に卒業おめでとうって言ってあげて」と笑顔で言ってくれた。空ぽん、りさりさ、うーたんと話すのは8月の愛媛日産ミニライブでの全員握手会以来だったけど、それぞれが顔を覚えていてくれて、自分が和佳音推しであることも把握してくれていた。「これからも、AiCuneと和佳音をよろしくお願いします」。3人が言ってくれた共通の言葉だ。もちろん。6人になってしまうけど、変わらず応援していこう。そう思った。