プレイバック・和佳音 15
2014・9・22~愛媛・松山市~
ステージ裏から、メンバー9人が浴衣姿に着替えて登場した。和佳音はカラフルなトンボのイラストがたくさん入った紺色の生地で、真っ赤な帯を締めていた。サイドポニーには赤い花飾り。白いTシャツとパニエというかわいらしさが強調された衣装から、大人の女性に「変身」していた。サイン握手会前、全員が一列に並んだ。りっちゃんやきらりちゃんたち、ほかの多くのメンバーが白地の浴衣を着ていたから、余計にそう見えたのかもしれない。それでも、踊っている時には感じることがなかった雰囲気が、和佳音から漂っていた。
女性って、着るものやヘアスタイルで、印象が180度変わることが多々ある。たとえば、普段はスカートでかわいいのに、着物になると大人に見えたりする。大人っぽいロングヘアから、ばっさりショートカットになると、とてもキュートに感じたり。化粧やハイヒールも「魔法の道具」のひとつかもしれない。大人の女性を見てそう感じるのに、和佳音たち女子中高生なら、なおさらだ。おしゃれという言葉は自分の辞書にはないので、街を歩いている時も自然とウオッチングして楽しむことが多い。もちろん、AiCuneのライブでも、そんなことをしている。
メンバーのなかでは、和佳音はひとみんと同じ高校1年生で最年長。だけど、どちらかというと幼い顔をしているほうだと思う。キラキラした目はまるで赤ちゃんのように輝いている。丸顔だし、笑うと右ほおに小さなえくぼができる。ステージ衣装だと、余計にそう思えるし、見た目は中学生でも通じる。その一方で、実際に話をすると、普通の高校生以上にしっかりした受け答えをする。頭のよさも感じられる。そのギャップが魅かれた理由かも。この日の浴衣姿は和佳音を大人の女性へと「変身」させる「魔法の道具」かもしれない。
順番が回ってきた。間近で和佳音を見ると、本当に大人に感じた。浴衣、似合っているね。ありきたりな言葉をかけると「本当ですか?ありがとうございます。浴衣を着るのを楽しみにしていたんです」と笑った。そのトンボの柄、いい感じだね。「かわいいですよね。気に入っているんですよ」。そう話す姿は、まるで夢見る乙女だ。浴衣姿は7月の大街道での盆踊りでも見たけど、印象は全然違った。写真を撮る時、見返り美人風で、とお願いした。「こうですか?」。笑顔でポーズを取る彼女をファインダー越しに見た。きれいだ…。そう、素直に感じた。
握手会後のツーショット会では、初めて並んだ。前回14日の定期公演の時には、恥ずかしくて並べなかったけど、次回はいっしょに撮ってもらおうと思っていた。「横チンさん、ポーズはどうします?」。そう聞かれて、すぐに思いつかなかったので、普通にVサインをしてもらった。「また、いっしょに撮ってくださいね」。握手をしてくれる和佳音は、やっぱり大人に見えた。座席に戻った後、ステージでの光景を眺めた。和佳音より背の低い女性が傘を持って、相合傘をしていた。なるほど、あんなポーズもアリだな。そう感じるとともに、キャーキャー言いながら話している和佳音を見て、やっぱり女子高生だなと、ほほえましくなった。