プレイバック・和佳音 14 | フーテンの横チン

プレイバック・和佳音 14


2014・9・22~愛媛・松山市~
 元気ではつらつとした振りつけが印象的な「恋愛カリキュラム」が終わると、ステージが暗闇に包まれる。6人が舞台裏に下がり、ひとみん、りっちゃん、そして和佳音の3人だけがステージ上に立っていた。赤いスポットライトを受けるなか、3人は激しいダンスを見せた。テンポの速いメロディに合わせ、足を上下させたり、体をくねらせたり、高くジャンプしたり。表情を見ると、まったく笑顔がない。それだけ、より高い集中力で踊っている証拠だ。「DANCE」を観るのは今回で2回目だったが、まさにクギづけ状態になっていた。
 約2分間のダンスが終わった後のMC。3人を見ると、まったく息が切れていなかった。それどころか、笑顔を浮かべているではないか。日ごろのレッスンのたまものなんだろうね。スタミナが蓄積されているんだなあって思った。和佳音は「やっぱり、ダンスは楽しいね」なんてケロッとしている。メンバーに指摘され、初めて靴ヒモがほどけていることに気づいた。メンバーは「きょうは握手会の時に浴衣を着られるから楽しみだねえ」と互いの顔を見ながら、ワクワクした表情を浮かべている。若いっていいなあ。彼女たちの顔を見ながら、そんなことを思っていた。
 AiCuneの魅力は、やっぱり曲の良さにある。和佳音たちを見ながら、あらためて思った。アイドルで聴く曲といえば、AKB48ぐらいだったが、どことなくメロディーというか、曲調が似ているんだよね。最近、ちまたにあふれている、アップテンポで機械的なメロディが多いアイドルソングは趣味的に受け付けなかったけれど、AiCuneの曲は興味を抱けた。ポップソングが好きということもあるかもしれない。何よりも、共感を持てる歌詞が多いということも大きい。松田聖子や、おにゃん子クラブを見て、聴いて育った自分にとっては、9人が歌う歌はすんなりと耳に入ってくるのだ。
 「ミズイロの閃光」や「AiCune参上!」。そして、アンコールの「キラキラレボリューション」。本当、どれもいい曲ばかりだ。「恋愛エネルギー保存の法則」や「ひまわり」のように、定期公演に入らないと聴けない曲も多くある。心の中でリズムを刻みながら、シャッターを切ることが心地いい。そして、和佳音のやさしい笑顔を写真に収めることが楽しい。年齢的には娘のような存在だから、どちらかといえば父親のような気分でいるのかな。自分でもよく分からないが、この空間にいることが楽しかった。
 アンコールも終わり、全曲終了。メンバーは舞台裏に下がった。ステージ衣装から、浴衣に着替えてのサイン握手会となる。9人全員が着替えるため、時間がかかる。通常なら約10分後に始まる握手会も、この日ばかりはなかなか始まらない。でも、この待ち時間がいいのだ。どんな浴衣で現れるのか。想像を膨らませ、気持ちがワクワクしてくるしね。彼女たちが再登場したのは約30分後だった。9人全員が違った浴衣を着ていた。和佳音はトンボの絵がたくさん入った紺地で、赤い帯をしていた。ステージ衣装を着ている時とはまた違った雰囲気に正直、驚いた。大人びて見えたからだ。