プレイバック・和佳音 12 | フーテンの横チン

プレイバック・和佳音 12


2014・9・14~愛媛・松山市~
 目の前にいる和佳音が、とびっきりの笑顔で手を振っていた。「わあ、横チンさ~ん!!」。想像すらしていなかった場面に正直、びっくりした。いや、びっくらこいて、少したじろいでしまった。彼女と話すのは8月の愛媛日産のミニライブでの全員握手会以来、2回目。それも、すでに1カ月以上も前のことで、ほんの少しだけ話しただけだ。もう忘れられているだろうな…。冗談で「はじめまして」って言ってみようかな。待っている間、そんなわけの分からないことを考えていただけに、彼女の言葉に度肝を抜かれた。
 「横チンさん、来てくれたんですね。うれしいです」。目をしっかりと見ながら、和佳音は笑ってくれた。正直、めっちゃうれしかった。でも、なんだか照れくさくて、恥ずかしくて、目をそらしてしまった。オレのこと、覚えてくれているの??そう聞いてみると「もちろんですよ。愛媛日産の時に、定期公演にも来てくれるって言ってくれたじゃないですか。ちゃんと覚えていますよ」。本当?すごいね。「それに、写真も撮ってくれていたでしょ?もしかして、横チンさんかなあって思いながら踊っていたんです」。すごい記憶力、そして観察眼だと思った。
 「サインはこれでいいですか?」。手元にあったAiCuneのロゴが入った紙を持って、聞いてきた。これに書いてくれる?念のために持ってきていた色紙に書いてもらった。サインの中に「88」という数字が入っていた。88って、好きな数字なの?「和佳音の誕生日です。8月8日!」。そうなんだ。オレは8月10日なんだよ。「本当ですか?同じしし座ですね」。お菓子が好きなの?自己紹介の時にも言っていたけど。「大っ好きです!お菓子がないと、生きていけません」。おおげさな…。思わず笑ってしまったが、とてもかわいらしかった。和佳音の口から飛び出す言葉のひとつひとつに、強烈なインパクトがあった。
 初めて見た7月の大街道での盆踊りの時、高校時代に片想いをしていた女の子とそっくりの笑顔に衝撃を受けた。愛媛日産では、いきなり名前を当てられるし、この日も久しぶりなのに名前をちゃんと覚えてくれていた。正直にいうと、和佳音のことは気にはなっていたけど、好みのタイプではなかった。第一印象では、岡田梨里、橋本真咲の2人が大人っぽくていいなあって思っていた。和佳音は2人とは正反対で、子どもっぽい顔をしている。でも、彼女と実際に話すことで、興味はどんどん増していった。そして、いつの間にか、和佳音しか見えなくなっていた。
 この日は2回並び、Tシャツにもサインを書いてもらった。「きょうはありがとうございます。また来てくださいね」。和佳音は両手で握手をしてれた。魔法のような笑顔、勘違いしてしまいそうな笑顔に、見事に「釣られて」しまった。サイン握手会後、ツーショット会が開催されていた。座席に座って、様子を眺めていた。和佳音はファンといっしょに写真に収まっている。ステージの上でピョンピョンと跳びはね、うれしそうにポーズを取っている姿を見ているだけで楽しかった。ゲームの時に見せた、あの癒されるような、やさしい笑顔が忘れられない。和佳音が、いわゆる推しメンになるのは自然な流れだった。