プレイバック・和佳音 9 | フーテンの横チン

プレイバック・和佳音 9


2014・9・14~愛媛・松山市~
 半分ドキドキ、半分ワクワクの気持ちだった。AiCuneの定期公演を観るため、松山キティホールにやってきた。アパートから自転車で約10分の距離にあるが、いつも通り過ぎるだけ。入場するのは初めてだった。学生時代を松山で過ごしたこともあり、ロックバンドやアマチュアバンドがライブをする場所だっていうことは知っていたが、アイドルもライブをしているとは全然、知らなかった。1週間ほど前、ホームページでAiCuneの定期公演があることを知り、チケットを予約した。愛媛日産のミニライブで購入したミニアルバムも聴き込んできた。実はけっこう、ハマっていた。
 知っているアイドルグループといえば、AKB48ぐらい。でも、買ってまでCDを聴くことはなかった。でも、偶然にもAiCuneという地元アイドルに出会った。村田和佳音という子を見て、ますます気になる存在になった。小学生時代には、おニャン子クラブの新田恵利が好きだった。ポスターを張っていたほどだったけど、中学生になってからはアイドルにあまり関心なし。浜田省吾や尾崎豊を聴いて青春時代を過ごしてきた。アイドルはテレビを観ていれば十分という感じだったけど、まさか不惑になって、アイドルのライブ会場に初めて来ることになるとは思ってもいなかった。
 定期公演を観ることを決めた最大の理由は写真を撮れることだった。基本的に、ライブ中の撮影はNGが当たり前。以前、仕事で今井美樹や平原綾香ら国内アーティストや、ビヨンセら外国アーティストのコンサートなどを撮影する機会があったが、撮影可能な曲は制限されるほど厳しいのだ。でも、AiCuneは写真どころか動画もOK。アイドルを撮れる機会なんてそうそうないから、楽しみにしていた。松山キティホールは昔、映画館だったこともあり、前列から緩い傾斜の座席になっていて、とても見やすかった。自分と同じようにカメラを持っているファンに、3列目より後ろなら、どこでも撮影OKと教えてもらった。
 確か、和佳音は向かって右側の立ち位置だったはず。できれば、正面から撮りたいなあ。だいたいの見当をつけて、全体が見渡せる6列目の右側中央に座った。開演時間になり、会場が暗くなる。SEが流れ、舞台そでからメンバーが登場。背中を向けて、それぞれの立ち位置に着いた。最初の曲が流れた時、テンショが一気に上がった。「ひだまり100%」。この曲を最初に聴いて、AiCuneの曲の良さを知った。ミニライブの時と違って、会場に広がる音の反響も大きい。やっぱりライブは生で観るものだなあと実感した。
 この日に備えて、9人全員の名前と顔を覚えてきた。まあ、100%ではないけど、だいたいすぐに分かった。みんな、かわいい顔をしているけど、和佳音が一番、気になる存在だった。偶然にも、座った位置が和佳音の真正面で、ポニーテールをしていた。初めて見た時は小さいなあって思ったけど、ステージに立つと大きく見える。踊っていると、なおさらだ。口ずさみながらシャッターを切っていると、気づいてくれたのか、和佳音は自分のカメラに向かってほほ笑んでくれた。やっぱり、笑顔がいいなあ。なんだか、まぶしく映った。