プレイバック・和佳音 6 | フーテンの横チン

プレイバック・和佳音 6


2014・8・2~愛媛・松山市~
 ミニライブが終わった。AiCune、よかったなあ。しばらく、余韻に浸っていた。メンバーも控室に戻ったことだし、帰ろうかな。カメラを片付けようとしたら「いまから、サイン握手会をしま~す」というアナウンスが響いた。サイン握手会??ああ、握手会って、AKB48とかがよくやっているやつだよなあ。周りを見てみると、ファンが長い列をつくり始めていた。関係者に聞いてみると、CDを1枚買えば、メンバー全員と握手したり、サインをもらえるという。ふ~ん。でも、どんな感じなんだろう?よく分からなかったから、座って様子を眺めてみた。
 メンバーとファンが、めっちゃ楽しそうに話している。どんな話をしているんだろう?AiCuneのことなんて、ほとんど何も知らないし、並んでもなあ。でも、せっかく来たんだし…。散々悩んだ挙句、CDを購入。列に並んでみた。しかし、柄にもなく、順番が近づくにつれて緊張してきた。そりゃ、そうだ。普段は女子中高生と話す機会なんてない。何よりも、話すことがない。どうしようか…。心臓がバクバクしてきた。やっぱり、やめようかな…。自問自答しているうちに、順番が回ってきてしまった。最初の子は肩からタオルをかけていた。こんにちは。寒いの?「うん、ちょっと寒いんだ」。その後が出てこない。愛想笑いをしているうちに、時間が来てしまった。情けない…。
 2番目に、和佳音が座っていた。「こんにちは~」。こんにちは。まずは普通にあいさつしてみた。「あれ?初めてじゃないですよね?」。この前、土曜夜市の時、盆踊りをしていたでしょ?浴衣で踊っていたのを見たよ。「ああ、それで見たことがあるんですね」。まずは第一関門を突破。「お名前は何ていうんですか?」。サインを書いてくれる段階に。女子高生に直接、言うのが恥ずかしかった。漢字で横を書いて、カタカナで…。そこまで言うと、和佳音がトーンを上げて聞いてきた。「もしかして、横チンさんですか??」。めっちゃ、びっくりした。
 えっ?なんで知っているの??「和佳音のブログの読者登録をしてくれたでしょ?だから、もしかしてって思ったんです」。またまた、びっくりした。ただ、前夜に登録しただけ。それで名前を覚えられるものなのか?と驚いた。ちゃんと見てくれているんだね。「もちろんですよ。来てくれてうれしいです」。昨日の夜、CMでAiCuneのミニライブがあるっていうのを知って、行ってみようかなって思ってね。「本当ですか?そういうのが一番うれしいんです!」。和佳音はとびっきりの笑顔を見せた。「ブログにもコメントをください」。そう言って、また笑った。目を大きくして話す姿がまぶしかった。
 写真をリクエストすると、両の人さし指をほっぺに当てた。まさにアイドルポーズ。めっちゃかわいかった。「よかったら、定期公演にも来てください!」。両手で握手してくれた。うん、時間を見つけていくよ。そうあいさつして、和佳音の前を離れた。以降、7人と話をしたけど正直、ほとんど頭に残らなかった。小さな子が小学6年生で、度肝を抜かれたことだけ。なによりも、和佳音にいきなり名前を呼ばれたこと、アイドルに認識してくれていたことのうれしさが飛び抜けていた。天気が悪かったけど、来てよかった~。また、行ってみようかな。帰り道、自転車に乗りながら、和佳音との会話を思い返していた。