ポンコツからの脱出を誓った生誕祭
2015・3・29~愛媛・松山市~
とてもやさしい生誕祭だった。「瞳コール」が響き渡る中「本日の主役」であるリーダー・佐藤瞳(ひとみん)が薄ピンク色のギンガムチェックのワンピースを身にまとって登場。頭には花の王冠もあり、春らしい装い。まるで、お城から飛び出してきたお嬢様のようだった。1曲目は前田敦子の「右肩」。ピアノ演奏で始まるイントロが心地いい。
イメージカラーのオレンジ色のサイリウムが会場を埋め尽くす。ゆったりとしたメロディにのって、サイリウムも右に、左に、ゆっくりと揺れた。そして、ひとみんのやさしい歌声が響く。なんだろう、ファインダー越しに見ていると、ひとみんが前田敦子のように思えてきた。そんなことを感じていると、まだ曲が終わっていないのに、ひとみんが突然、裏に引っ込んでしまった。
何かトラブルでもあったんだろうか?そう思っていると、トゥシューズを履いて再登場。バレリーナのように華麗に舞った。美しい…。思わず見とれてしまい、見入ってしまった。我に返って、カメラを持って撮影。つま先で立って、クルクル回り始めた。さすが、バレエ経験者!無知な自分は「白鳥の湖」しか知らないけど、なんだか得した気分になった。うってかわって、2曲目のフェアリーズの「sweet jewel」は軽やかなメロディ。そういえば、ファンだって言っていたなあ。アイドルらしいダンスだった。
ソロが終われば「キラキラレボリューション」というのが、いつもの生誕祭のパターンなんだけど、この日だけは違った。「渚のシンパシー」だった。そういえば、アンコール前に歌っていなかった。1人だけ別衣装のひとみん。少し踊りにくそうだったけど、みんなと同じように激しいダンスを見せた。外側に足を上げる振りつけのところは、誰よりも高かった。そして、いつものように「キラキラレボリューション」で締めくくった。
アンコール終了後、研修生の3人が花束とアルバム、そしてバースデーケーキを持って登場。メンバーはもちろん、ファンもいっしょに「ハッピーバースデーの歌」を歌った。見てみてよ、このうれしそうな表情。「私は世界で一番幸せな女の子よ」っていう顔をしているではないか。ファンに、そしてメンバーにお祝いされての17回目の誕生日。笑顔にならないわけがないか。
手紙は、メンバーからはりっちゃん、そして、ひとみんのお母さんからの2通。ともに共通する言葉が「ポンコツ」でありながら「しっかりしている」という両極端な二面性を持っているということだった。りっちゃんは「ひとみんといると、無防備になれる。みんなを安心させる魅力がある」と吐露。ひとみんはリーダーで、りっちゃんはサブリーダーという間柄。2人で話し合うことも多いという。自ら心配性という、りっちゃんにとってはもちろん、メンバーにとっても、ほんわかした雰囲気のひとみんは、いい意味でオアシス的な存在なのかもしれない。
それを裏付けるのが、お母さんからの手紙だった。アンコール後、りっちゃんが代読。「考えていないようで、意外に考えていたり。天然なようで、意外にしっかりしていたり」と温かい目線で娘のことを表現した。「やりたいことを探して成長する姿を応援することが幸せでもあった」という言葉に、娘は涙、涙。汗なのか、それとも涙なのか、分からなくなったけど、とてもうれしそうだったのは間違いない。
ライブ後の握手会には手ぶらで並んでしまったけど、ひとみんは「こうやって来てくれたことがうれしいの」って返してくれた。うれしいね。こういう言葉を自然にかけてくれる。りっちゃんの言葉を理解した気がした。突然、バレエを始めたから、びっくりしたよって言うと「3歳から15歳までやっていたから。しばらくしていなかったけど、意外にできたね」と笑った。
「17の誓い」というテーマで、サイン帳に書いてもらうと「もっとしっかりしたリーダーになるぞ」の言葉を記してくれた。まあ、自分でも言っているぐらいだからポンコツなのかもしれないけど、肩ひじ張らずに、自然体の姿でいいんじゃないかな。4月には、東京にも進出するAiCune。大変だと思うけど、これからもグループをしっかりと引っ張っていってほしい。頑張ってね、リーダー!






