プレイバック・和佳音 ３

2014・７・26～愛媛・松山市～
　偶然に通りかかって、偶然に見かけたアイドルの盆踊り。いいものを見たなあ。満足感にひたりながら、そばにあったベンチに腰かけた。地元アイドルって、こんなに人気があるのか。いままで、まったく見たこともなかったけど、間近で見ると、けっこうかわいいもんだな。撮った写真を確認しながら、そんなことを思っていた。いっしょに踊っていたファンの人たちも楽しそうに談笑している。めっちゃ盛り上がっていたなあ。
　生理現象が起きて、近くのパチンコ店のトイレへ。出てきた時、この盆踊り会場に導いてくれた女の子が、ほかの３人といっしょに姿を見せた。せっかくなので、写真を撮らせてもらおうかな。でも、私服姿だし、撮っていいのかなあ。迷ったが、声をかけてみると「いいですよ」の声。ほかの３人も横に並んで、Ｖサインをしてくれた。背の高い子は赤い髪をしている。高校生かな？でも、髪を染めてもいいのかな…。シャッターを切りながら、そう思った。
　４人にお礼を言って、またベンチに座っていると、すぐに「その子」が現れた。デニムのノースリーブに、青いストライプのスカート姿。十数分前の浴衣姿とは、まったく違う印象で、とてもかわいかった。数人の女の子といっしょに談笑しながら、こちらのほうに歩いてくる。じゃましちゃったら悪いしなあ。でも、こういう機会はめったにない。まあ、いいや。断られて当たり前っていう気持ちで声をかけてみた。
　すいません、写真を撮らせてもらってもいいですか？柄にもなく、めちゃくちゃ緊張していた。すると「いいですよ！」と、黄色い声で快諾してくれた。じゃあ、お願いします。レンズを向けると「その子」はＶサインをしてくれた。やっぱり、大きな目が印象的。両のほおにできるえくぼも、かわいさを引き立てているし、セミロングのヘアスタイルも似合っている。ＡＫＢ４８の渡辺麻友のバッジをつけているけど、ファンなのかな？
　ファインダー越しに、あれこれ思いながら、５回ほどシャッターを切った。お礼を言うと「こちらこそ、ありがとうございます！」と笑顔で返してくれた。わあ、気持ちのいい子だ。素直にそう思った。そばを離れる際にも、頭を下げて、お辞儀をしてくれた。初めて交わした会話はあいさつ程度だったけど、笑顔はおのずと目に焼きついた。地元アイドルっていうのも、いいもんだなあ。銀天街方面へと歩きながら、余韻にひたっていた。