笑顔の1周年、勝負の2年目 | フーテンの横チン

笑顔の1周年、勝負の2年目


2014・11・30~愛媛・松山市~
 温かい公演だったなあ。1周年公演に行ってきた。2013年11月30日にスタートを切って、ちょうど1年。節目の日に公演ができるなんて、メンバーは幸せだね。いつものように「ひだまり100%」から始まったと思ったら、2曲目に「キラキラ☆レボリューション」。アンコールの締めに歌われる曲だけに、めっちゃ新鮮だった。あとから聞いたら、セットリストは曲が生まれた順だったそう。なるほど~。だから、いつもとは違っていたんだ。

 推しメンである和佳音ちゃんはAiCune1周年と同時に、アイドルに復活して1年だった。以前は先輩グループのnanoCUNEに所属していたが、学業優先で卒業。しかし、AiCuneのメンバーとして再び、ステージに上がったのだ。なんだろう、いつも以上に笑顔で、いつも以上にダンスがイキイキとしているように見える。そりゃそうだよね。大好きなアイドルをしているんだから、楽しくないわけがない。

 ステージの後ろには、いつもとは違う垂れ幕があった。AiCuneファンのてづくりだそうで、メンバー6人全員の名前がしっかりと書かれていた。真ん中には大きな数字の1。MC中に見つめるメンバーもうれしそうだ。でも、あっちゃんの「sinceって何?」の言葉には笑った。1周年を笑顔で振り返るメンバーを見ているだけで、こちらも笑顔になれる。

 垂れ幕だけでなく、会場には大きな花束も飾られていた。こちらもファンからの贈りもの。中には、個人で贈っている人もいて、びっくりした。メンバーがみんなから愛されていることがよく分かる。女の子は花が大好きだからね。うれしかっただろうなあ。1周年か…。あまり実感がないのが正直なところだった。

 写真を撮れるらしい。そういう話を聞いて、AiCuneの定期公演に通うようになった。以前にも書いたが、アーティストのライブとかコンサートで写真や動画を撮ったりできるのはすごい珍しいことだ。昔、仕事で国内はもちろん、海外の歌手のコンサートなどで写真を撮ったりしたれけど、やっぱりプライベートでシャッターを切るほうが楽しい。オッサンは写真専門で、ほとんどのファンは推しメンのイメージカラーのサイリウムを振って、応援している。鑑賞のしかたは人それぞれだ。
 いつも見慣れている光景だけど、なんだかうらやましく感じた。7月下旬、土曜夜市の写真を撮りに大街道に行った時、nanoCUNEとAiCuneのメンバーが盆踊りをするのをたまたま見て、初めてAiCuneというグループを知った。8月の初めにミニライブを鑑賞して、愛媛にこんなレベルの高いアイドルグループがいたのかと驚き、ファンになった。だから、ファン歴はたった約4カ月。スタート当初から応援しているファンのように、AiCuneのことを知らない。
 それまで、地元アイドルというものに興味すら持ったことがなかった。メジャーデビューしているひめキュンフルーツ缶ですら、よく知らない。もちろん、和佳音ちゃんのnanoCUNE時代も知らない。AiCuneのライブに通うようになってから知ったのだ。だから、メンバーを1年間、見守り続けたファンのようには、この365日を振り返ることなんてできない。走って、立ち止まって、悩んで、振り返って、また走って…。そんな苦労をしてきているメンバーを見守り続けてきたファンがうらやましい。

 ライブ中、そんなことを考えながらシャッターを切っていた。そうかあ。この曲は最近できた曲だったんだ。初めて知ったこともあった。そして、最後の曲は「渚のシンパシー」。初めて聴いた時は正直、違和感があったんだけど、何度も聴くうちにしっくりくるようになった。他チームに移籍した選手が最初、ユニホームが似合わなかったけど、プレーしていくうちにカッコよく見えてくるのと同じだね。この曲で公演を終えるのはとても新鮮だった。右腕を伸ばした状態で見せる背中。小さな体の彼女たちだけど、この時ばかりはとても大きく見えた。いろんな経験をして、着実に成長してきた証拠だよね。

 公演後の握手会。いつものように和佳音ちゃんのところへ。1周年、おめでとう。そう伝えると「ありがとう」と満面の笑みを浮かべた。スケッチブックにはいつも、こちらからリクエストしてイラストを描いてもらうんだけど、この日は「メンバー6人を描くね」とメンバーの似顔絵をうれしそうに描き始めた。女の子らしい、かわいい絵だ。この1年、どうだった?「う~ん、長かったけど、あっという間だったかなあ」。とても実感がこもっていた。「横チンさん、いつもありがとう。これからもよろしくね」。そう言うと、スケッチブックを持って敬礼ポーズ。1周年がうれしかったんだと分かった。
 年を取るとあっという間だけど、若いころの1年って、とても長いんだよね。時にはメンバーと衝突して、時には喜びを分かち合って…。喜怒哀楽をともにすることで、か細かったきずながどんどん太くなっていったんだろうな。冷静に見れば、まだ1年。AiCuneはこれからが勝負と言える。会場にはまだまだ空席が目立っている状況。13人からスタートし、9人、そして現在6人。今後、2期生も加入してくる。どんな化学反応を起こすのか。まだまだ若いメンバーの成長を見守っていきたい。そんなことを思った1周年公演だった。