八股大明神とお袖さん | フーテンの横チン

八股大明神とお袖さん


2014・10・30~愛媛・松山市~
 松山市役所が見える堀端沿いにある大きな木の下に、小さくて赤い鳥居がある。とても目立つし、以前からずっと気になってはいたんだけど、いつも横目でチラチラと見るだけだった。用事を済ませた後、ふと思い出して立ち寄ってみた。鳥居には八股大明神とある。はちまただいみょうじん?もしかして、根っから女好きの神様なのか??そんな良からぬことを考えながら、のぞいてみると…。タヌキの像がお出迎えしてくれた。はちまたではなく、やつまた。正確には、八股榎お袖大明神というそうだ。
 江戸時代、松山城築城の際に、城への入り口を分かりやすくするように榎の木を植えると、タヌキが住みつくようになった。明治時代になると、木の根元にほこらが建ち、お供えをして祈願するようになったという。そして、いつのころからか、タヌキはお袖さんと呼ばれ、愛された。八股は榎の木が8個の股をつくって空高くそびえているからだったのね。タヌキは「他を抜く」という語呂から、商売繁盛の縁起物と言われている。庶民の心のよりどころでもあるお袖さん。いつまでも松山市民をお見守りくださいな。