野原の綿菓子 | フーテンの横チン

野原の綿菓子


2014・4・22~愛媛・松山市~
 保育園児のころ、先生に聞いたことがある。「先生、これはなんで、お空に飛ぶの?」。先生は教えてくれた。「ヒロ君、それはね、風に乗って、次のお家に行くためなんだよ」。お引っ越しするの?「そうよ、でもね、行き先は分からないのよ。風の吹くまま、お空に飛んで、風に連れていってもらうのよ」。ふ~ん、そうなんだ。庭に咲いていたタンポポの種に口で吹いて、よく飛ばした。気持ちよさそうに飛んでいく白い種を見て、子ども心にうらやましく思った。そして、綿菓子のようだな、おいしそうだな、なんて思ったりもした。
 春になれば、どうしても桜とかに目移りして、タンポポが咲いているのを見ても、スルーすることが少なくなかった。でも、通勤途中に見つけると、自転車を止めて見入り、昔のことを思い出してなつかしくなった。最近の子どもは種を飛ばしたりして遊んだりするのかな?子どものいないオッサンはペダルをこぎながら、そんなことを考えていた。