チンチン電車のラッピングメッセージ~その2~ | フーテンの横チン

チンチン電車のラッピングメッセージ~その2~


2014・4・21~愛媛・松山市~
 その光景が目に浮かぶようで、自然と笑顔になる。そう言えば、大阪に住んでいたころ、そんな場面を見た。地下鉄だったかな。まだ乳母車に乗っている妹といっしょにいた幼稚園児ぐらいのお姉さん。駅で何人か降りて、ひとつ席が空いた。お母さんが「座らしてもらい」と促したが、お姉さんは座ろうとしない。なんでだろう?と見ていたら「だって、あの人がしんどそうやから、座ってもらお?」と言う。その指先には、杖をついた年配のおじいちゃん。その人のもとに近寄って「おじいちゃん、あそこ空いてるから、座ってください」と声をかけた。
 そのおじいちゃんはうれしそうに「お嬢ちゃん、ありがとね」と頭をなでて席に座った。そのお姉さんはとてもうれしそうに、お母さんのもとへ。お母さんにも「えらかったねえ」って頭なでなでされて、また満面の笑みになった。隣に足の不自由な人がいるのに寝たふりをするサラリーマン。大きく足を広げて、2人分のスペースを取る高校生。ひと目も気にせず、メイクのビフォー・アフターを披露する女子大生…。不愉快になる光景を何度も見ていただけに、小さな女の子の行動が頼もしく映ったのを、いまでも鮮明に覚えている。最近は自転車通勤だから、めったに電車に乗らなくなったが、こんなお姉さんのような行動をする子はいるのだろうかと想像した。