チンチン電車のラッピングメッセージ~その1~ | フーテンの横チン

チンチン電車のラッピングメッセージ~その1~


2014・3・22~愛媛・松山市~
 最近、チンチン電車を注意して見るクセがついた。いつもと変わりなく走っているのだが、その側面に書いているメッセージを読むことが楽しみなのだ。松山市の「ことばのちから実行委員会」が募集した「だから、ことば」の入賞作品がラッピングメッセージの形で掲載されている。その言葉の一つひとつを読むたびに、笑顔になったり、ほっこりしたりする。
 見かけた白いチンチン電車の言葉を読んで、約30年前のことがフラッシュバックした。休みのたびに、オカンといっしょによく行った、じいちゃん、ばあちゃん家。思い出すじいちゃんといえば、のこぎりを研いでいる姿だ。「ヒロ、こっち来るか?」。幼いころ、そう声を掛けられては、じいちゃんのヒザにのって、のこぎりを手入れする作業を見たものだ。「危ないから、触っちゃダメだぞ」。だから、棚に並んでいるのこぎりをよく眺めた。子どもながら「かっこいい」と思ったものだ。
 小学校の時、ばあちゃんが先に亡くなって、めっきり元気がなくなった。数年後、ばあちゃんの背中を追うように亡くなった。お墓参りに行くたびに、あの光景が目に浮かぶ。そうだよなあ。オッサンになってもビビりだけど、じいちゃんだったら幽霊でもいいから会いたいなあ。じいちゃんが好きだったじゃこ天をつまみに、日本酒をいっしょに飲みたい。心からそう思う。