魅惑の九州ぶらり旅~⑫~関門海峡を通過~ | フーテンの横チン

魅惑の九州ぶらり旅~⑫~関門海峡を通過~

2014・2・11~福岡・北九州市-山口・下関市~
 まったく頭の中に入っていなかった楽しみを船の上で見つけた。九州での旅も最終日は完全な移動日となった。北九州市・小倉港から愛媛・松山市へと渡るフェリーが昼便だったからだ。本来なら夜間に移動するのだが、フェリーがドックに入っていたため、日中の移動便しかなかった。つまんないな…。楽しみにしていた女友達とのプチデートも中止になったし、船の上で写真整理でもするかな…。そんな晴れない気持ちのまま乗り込んだのだが、カベに張られていた地図を見て思い出した。
 そうだ、このフェリーは関門橋を通過するんだったんだ。関門海峡を挟んで、北九州市の門司港と山口・下関市を結ぶ吊橋だ。夜行フェリーなら、通過する時間にはグースカ寝ている。昼間にしか見られない景色を見られる!下がっていたテンションが急上昇。カメラを持って船尾に出た。

 小倉フェリー乗り場から出港。新日鐵住金の工場が遠くに消えていく。離れてみても、めちゃくちゃ大きかった。煙突から、煙がモクモクと出ていた。

 上空には、カモメが飛んでいた。正直、空気はおいしくないだろうなあ。でも、こんな環境の中でも優雅に飛んでいる。小倉でしか見られない風景だ。

 しばらくすると、門司麦酒煉瓦プレイスが見えてきた。九州で最初のビール工場である旧サッポロビール醸造棟の全貌が分かる。100年の歴史がある近代化遺産との異名を持つ。時間があれば、行きたかった。

 小倉港を出港して約30分。ついに、関門橋が見えてきた!長さ1068メートルで、完成当時は東洋一の長大吊橋だった。船の上から見られない、この絶景。実際に自分の目で見て、ますます興奮してきた。

 関門橋通過まで、まだ時間がある。景色をじっくりと見ておかないとね。門司港側に、タワーが見えてきた。門司港レトロ展望室だ。高所からの眺めも最高なんだろうな。このフェリーはどういうふうに見えるんだろうか。

 次は下関側も見ておかなきゃ。海峡ゆめタワーだ。聞くところによると、恋人の聖地らしい。夜景を見ながらプロポーズされたら、女の子も「ハイ」と言うしかないでしょうね。

 大きな観覧車も見えてきた。水族館「海響館」の隣に最近、完成したらしい。観覧車を見ると、どうもレンズを向けてしまう習性があるようだ。

 さあ、そうこうしているうちに、関門橋がどんどん近づいてきた。ただ、通過するだけなのに、なんなんだろうか、この心の高鳴りは。やっぱり、初めて見るものは何でもうれしい。

 数分も経たないうちに、ついに関門橋を通過した。この瞬間を待っていた。やっぱり、デカイ!!この橋があるから、本州と九州を車で行き来することができるんだ。人間の技術力ってすごいなあ。それより、おじさん、大事なところで下を向いていたけど、よかったの?

 通過すれば、関門橋はあっという間に離れていった。ああ、九州ともお別れだ。でも、本当にいい旅だった。8日に小倉に着いた時は雪景色。どうなることやらと、先が思いやられたが、長崎に着いたころには、すっかり天気も回復。長崎ランタンフェスティバル、海上自衛隊の護衛艦見学、佐世保の夜景、そしてハウステンボス。4泊5日の旅で目を癒し、同時に九州のポテンシャルの高さをあらためて実感した。めっちゃ充実した時間だったなあ。もっと九州を知りたい。そう思わせてくれた、久しぶりの一人旅だった。