魅惑の九州ぶらり旅~②港町・長崎をてくてく~ | フーテンの横チン

魅惑の九州ぶらり旅~②港町・長崎をてくてく~


2014・2・8~長崎・長崎市~
 異国情緒あふれる土地にやってきた。福岡・小倉での雪景色は一転、長崎に入ると、青空が広がっていた。やっぱり、旅はこうでなくっちゃ。テンションは一気に回復した。高速バスでJR長崎駅前に到着。すると、改札前の広場の上には、黄色い龍が飛んでいた。「2014長崎ランタンフェスティバル」の真っただ中。赤いランタンも飾られ、次々と訪れる観光客がカメラを向けていた。さあ、撮るぞ~!カメラ小僧のボルテージが高まってきた。

 歩道橋のタイルには、オランダ坂の絵があった。ああ、中3の修学旅行で行ったなあ。懐かしいなあ。坂道が多いことで有名だが、なんの知識も頭に入れてないまま訪れたので、ゼイゼイ言いながら、急な坂を登った思い出が甦ってきた。翌日は筋肉痛だった。

 今回の旅の楽しみのひとつがチンチン電車だった。愛媛・松山市でイヤというほど見ているはずなのに、その一方で「他の地域の路面電車を見たい」という欲求も膨らんでいた。長崎駅前からYの字に電車が2方向に分かれていく。高いビルもそんなにないし、歩道橋からの眺めは最高だった。

 電車通り沿いを長崎港方面へと歩いた。港に出ると、大きな帆船が停留していた。長崎海軍伝習所の帆船を復元した「観光丸」だ。船を見ると興奮するタイプの人間。帆も張っていなくて乗船もできなかったので残念だったが、陽光を浴びるシルエットはとてもきれいだった。

 ベイサイドを歩いていくと「出島ワーフ」に出た。複合商業施設で、数多くの飲食店が並んでいた。2階には展望デッキもある。休日だったので、お子さん連れの家族がランチを食べていた。潮風を浴びながらの食事ほど幸せなことはない。右手にはヨットも並ぶ。思わず、加山雄三の歌を口ずさんでいた。

 大波止橋を越えると、なにやら大きな車輪があった。1930年、当時の長崎-上海航路に連絡するために長崎駅から南へ鉄道を延伸。出島岸壁(現在の出島ワーフ付近)に長崎港駅が開業していた。現在はもうないが、この辺りに鉄道専用の橋が架かっていたとのこと。その名残がモニュメントになっているのだ。

 弓なりの川沿いに古い建物が並んでいた。長崎市民の間では「ミニ出島」と呼ばれる場所。日本が鎖国だったころ、唯一開かれた貿易・文化の拠点だったことは日本史で学んだ。その当時の建物や町並みを復元したそうだ。

 商館長の住まいだった「カピタン部屋」の中に展示されていた模型が目にとまった。商人たちがなにやら行列をつくっていたのだが、精巧なミニチュア人形だったので、思わずシャッターを押した。マニアが見たら、興奮するんだろうな。

 出口付近に「ミニ出島」の模型があった。なるほど~。ふんふん、こうなっていたのね。ひと目で出島を一望できるので分かりやすい。実際、小学生らしき子が「お父さん、これが出島なんだよね」と話しかけていた。歴史の知識を深めるには、ぜひ訪れてほしい場所だ。
 出口を抜けて、マップを見ながら中華街方向へと歩いていたら、オレンジ色のジャンパーを着たオバちゃんが話しかけてきた。「お兄さん、急いで!!写真を撮るんでしょ?あの角を曲がったら、もうすぐ行列が来るから!!」。はい、急ぎます!!教えられた通り、角を曲がると、多くの見物客が、もうすぐやってくる「皇帝」をまだか、まだかと待ち受けていた。