暗闇の中の観覧車~その1~ | フーテンの横チン

暗闇の中の観覧車~その1~


2014・1・13~愛媛・松山市~
 いつも、会社からの帰りに見かける観覧車を上から眺めたくて、松山城に登った。すでに終了しているロープウェイを横目に、約15分かけて天守閣近くまで。南方向、伊予鉄高島屋の上で回る観覧車は青、赤、白…とカラフルな色を放っていた。3連休中のためか、あるいは節電のためか、二十四万石の街は思ったより明るくなかった。だから、観覧車が余計に輝いて見えた。
 小さなころ、梅津寺パークに遊びに行った。高所恐怖症でありながら、なぜか観覧車にだけは乗りたがった。ガタガタと壊れそうなジェットコースターには怖くて乗れなかったのに、観覧車は好きだった。昔もいまも高所恐怖症のくせに、瀬戸内海を望むことに夢中だった。観覧車とメリーゴーラウンドがあれば、ほかには何も要らなかった。
 梅津寺パークはすでに閉園し、観覧車はもうない。目の前の観覧車と心の中の観覧車はまったく違うが、いつか乗ってみたいと思った。あの空間で、カップルが愛を語らっているのかな?夜風に吹かれながら、そんなことを考えたりした。そして、ちょっぴりさみしくなった…。