新しい時間を告げる朝陽 | フーテンの横チン

新しい時間を告げる朝陽


2014・1・9~愛媛・松山市~
 帯のような厚い雲の上から、目がクラクラするような、まん丸い太陽がゆっくりと顔をのぞかせる。まだ暗かった空が次第にオレンジ色に染まっていく。新しい一日の始まりを教えてくれる瞬間だ。日々、繰り返される当たり前のような光景。幸せだと思わないと、きっとバチが当たる。
 2014年になって初めてじっくりと見た朝陽だった。空を見るのが好きだ。変幻自在に形を変える雲を描くカンバスのような青空、真っ赤に空を染める美しい夕空、キラキラと輝く星を散りばめた夜空…。首が痛くなるまで眺めたことは何度あることだろうか。それなのに、朝陽は寝床から起き上がり、寝ぼけ眼で見つめる程度…。初日の出というものも、元日から観に行ったのは人生で数えるほどしかない。
 朝が弱くて、ぐうたらな自分だが、干しっぱなしだった洗濯物を取り込むために、寒いのを我慢して窓を開けた。冷気に体は震え、一気に目が覚めた。同時に、まぶしい光を体中で浴びた。水平線に沈む夕陽はロマンティックだが、朝陽は汚れ切った心を浄化してくれるような不思議なパワーがある。明けない夜はない。世界中が涙に暮れるようなつらい出来事があっても必ず、太陽は上る。後ろ向きな人生はイヤだ。前だけを見つめて歩いていこう。朝陽を見つめながら、そんなことを思った。