夏を感じさせる鳴き声
2011・8・1~大阪・豊中市~
子どものころ、夏になると、友達といっしょに網を抱えて山に出掛けた。捕獲対象はカブトムシやクワガタ、セミ。何でも競争だったから、どれだけカゴをいっぱいにできるかを競ったものだ。セミで一番好きだったのはアブラゼミ。クマゼミとかと比べて、なんとなくカッコよく見えたからだが「なんで茶色いんだろう…」とずっと思っていた。あれから20年以上も過ぎたが、セミの鳴き声を聞くたびに、夏が来たことをしみじみと感じている。懐かしくなって、近くの公園へ。ジージーと鳴り響く木陰を見渡したが、なかなかセミを見つけられない。ちっちゃいころは簡単に見つけられたのに…。意地になって探して10分後、ようやくアブラゼミを発見。枝分かれの場所に見事に隠れていた。褐色なのは木の皮に擬態化するためだったんだと、いまでは理解できる。成虫になってから約1カ月の、はかない命。懸命に鳴き続けるセミを見て、あらためて真っ盛りの夏を感じた。