いま、僕たちがやるべきこと。
2011・3・20~大阪某所~
どうしてもカレーライスを食べたくなって、近所の某有名チェーン店に入った。その学生男女6人組はゲラゲラと大笑いしながら食事していた。彼らのテーブルを見た。それぞれにカレーライス。その他に、唐揚げ、イカリング、コロッケ、フィッシュフライ、トンカツ、メンチカツ、ポテトフライ…。パッと見ただけだが、多くのフライ類がどう見ても3、4人前ずつ。大皿3枚が真ん中に置かれていた。
「この唐揚げ、すげえうまい」「こんなに頼んで食えんのか?」「ちと頼みすぎたかな?」「おまえが頼んだんだから、全部食えよ」「もう、私おなかいっぱいだよ~」「残さずに食べるんだよ~」
場所はカレーライスショップだ。居酒屋でも、レストランでもない。何度も言うが、真っ昼間だ。店員さんに聞くと、もう1時間以上いるらしい。「すいませ~ん、アイスコーヒーくださ~い」「あっ、オレはコーラ」「わたし、ウーロン茶」「お冷の替え、ください」。矢継ぎ早に、彼らのテーブルから注文の声。「は~い、少々お待ちくださ~い」。店員さんは笑顔で応対していたが、内心ではどう思っていたのだろう。「もう出ようか?」。ある男子が伝票を見て「3万●●●●円か。割り勘な~」と計算しはじめた。
店に入っていた時からムカついてきた。ヘラヘラ声にブチ切れそうになった。ブン殴りたくなった。
彼らに言いたかった。「おまえら、いま日本がどういう状況なのか、分かってんのか!!!」
東北、関東地方を襲った東日本大震災から、まだ10日目。未曾有の地震、そして津波で多くの犠牲者を出した。助かった被災者の方々は避難所生活を余儀なくされている。全国各地から救援物資も届けられているが、思うような食事もできていない。1日でおにぎり1個、お茶1本…。温かい汁や飲み物もない。お風呂にも入れない。いまだに雪も降り、寒さに耐えながら、先の見えない時間を過ごしている。そんな悲惨な状況であることは、流れてくる映像を見れば分かる。被害を出した原子力発電所の復旧作業はいまでも続いている。東京などでも食品、日用品が不足。計画停電もあって、いつも通りの生活ができていない。そういう状況はこの6人組も知っているはずだ。なのに…。この6人組の言動に、被災者たちはどんな反応を示すだろうか??
関西地方に住んでいるわれわれは、幸運にも災害から免れた。ありがたいことに、いつもと変わらない生活ができている。だからこそ、やらなければならないことがある。義援金や救援物資に協力することもそうだろう。でも、日常の生活面でも、やれることはある。食事は腹八分目にしよう、おやつは控えよう、できるだけ節電しよう、水の無駄遣いはやめよう…。できることは、いくらでも思いつく。
要は普段からの気の持ちようなのだ。この危機的状況に、どう向き合っていくかなのだ。元気な関西に住むわれわれが被災者たちを勇気づけていかないといけない。だからこそ、もう一度、自分たちを見つめなおすことが大切なのだ。何ができるのか、何をすべきなのか。決して対岸の火事ではない。この地震、津波から学ぶべきことはたくさんある。