梅雨が明ければ…
2010・6・29~和歌山・串本町~
強く、そして美しい。僕の中では、一、二を争う甲殻類のお気に入りであるフリソデエビだ。岩礁の隙間をのぞいてみると、少し大きめの個体がいた。こちらがカメラを向けると、大砲で攻撃されると思ったのか、レンズに向かって前進してくる。フリソデエビの特徴と言えば、掌部の大きなハサミ。和服の振袖の柄にしていることが和名の由来だ。その2つのハサミをグルングルン振り回して威嚇しては、時にシールドのようにして自身の身を守る姿勢を見せる。何もしませんよ~。大丈夫ですよ~。そんな声を掛けたが、最後まで威嚇をやめなかった。梅雨真っただ中の日本だが、もうすぐ暑い、暑い夏がやってくる。フリソデエビの涼しげな体を見ていると、夏祭りを思い浮かべてしまうのは僕だけだろうか。ああ、花火が見たい。