ダイバーにとっては危険でも…。
2010・6・17~高知・柏島~
ダイビングをしていると、いつも不思議に思うことがある。「どうして、幼魚や小さな魚はガンガゼのトゲに刺さらないんだろう?」。ガンガゼとは、いわゆるウニのことで、長~いトゲには毒がある。ダイバーにとっては危険生物なのだが、トップ写真のマジマクロイシモチはガンガゼと共生していることで知られる小さな魚。目玉みたいなガンガゼの生殖口の上で生活している。もちろん、大きな魚に襲われないようにするため、同じ黒色の肌を持つガンガゼの中に身を隠しているのだ。
柏島の海にも、ガンガゼがウヨウヨ生息している。だから、写真を撮る時には、足場にいないことを確認しながら着底しなければならない。だが、この世に生を受けたばかりの幼魚にとっては大事な大事なおウチ。黄色い肌のコガネスズメダイの幼魚も、トゲの間をスルスルと通り抜けていく。余計な心配なのかもしれないが、刺されて死んじゃうんじゃないかと思ってしまうほどだ。
カメラ派ダイバーにとって、このガンガゼは目障りな障害物でもある。この日もミナミハコフグの幼魚を発見したが、もののみごとにガンガゼの中に身を隠している。このハコフグちゃんは特に臆病だったため、ガンガゼの中から一度も出てこない。トゲの間から、ジッとこちらをにらんでいた。何本ものトゲが重なるガンガゼの前でピントを合わせるのに苦労した自分がいた。