Tちゃんと呼ばれているらしい。
名は体をあらわす
とはよく言ったもので
生きていた時
Tさんと呼んでいたけれど
柩の中のTサンに向かって
Tちゃんと呼び掛けた。
Tちゃん、ありがとう。
ぐるり、足元へまわると
そこには喪主のご主人がいて
色々を聞いてしまったため
少々複雑な対面となる。
そしてすぐに右側を進み
Tちゃん、ありがとう。
と声を掛けた。
何がありがとうなのかと言うと
Tちゃんはフワフワと優しかった。
いつもフワフワとしてて
いつも優しかったんだよね。
いつもだよ。
関わったヒトはすべて
ココロの中にできちゃった
氷山を溶かしてもらえたんじゃないかな。
全く、文句を言わなかったか
というと
そういうワケでもないんだが
とにかく
あったかいモノを発していたのね。
3つ程年下で
そう、年下なのに
おねーちゃんになって欲しいヒト。
この1週間というもの
朝一番だったり
間もなく自宅って時に
Suger cane train
が
タイミングよく流れる。
コレはまさしく
Tちゃんの歌。
寂しくてつらくって
破レツしちゃったんだ。
破レツすることで
最期にシアワセを噛み締めたんだ。
そう思いたい。
あっちのコトも気になるけれど
知る術がない私たちには
永久に謎のままなんだろな。
最後のハケン先を
アタシのいるとこに
選んでくれてありがとう。
アタシに逢いに来てくれてありがとう。
ワタシが知ってる
柔らかくて優しい歌を
Tちゃんに捧げます。
だから
痛かった記憶をなくして。
カラダもココロも。
そしてまたあの笑顔で笑ってて。
