記憶の整理 35 | ひよこぶたのブログ

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新しく住みはじめた団地の寝室には姉と私の2段ベッド
それにくっついた形で両親のダブルベットがあった。

2段ベッドの上段が私だった。
でもそれまで祖母の腕枕で寝ていた私はなかなか一人で寝付けず
よく そっと下りて母の腕に潜り込んだ。
その時の恨みがましい父の目が暗闇に光ってて 私は母にしがみついた。

小学校に上がって間もなく母が弟を身篭った。

だんだん大きくなるお腹。
母は黒に細かい花柄の膝くらいまでのワンピースをその頃よく着てて
そのワンピースの上からお腹を触らせてもらった。
時々ピクンと動くのは中で赤ちゃんが蹴ってるんだよと聞いて
とても不思議な感じがした。

春になり 母が入院。
学校から戻り姉と家にいたら父が仕事中 車で帰宅
弟の誕生を私達に伝えた。

畳の部屋で三人で手をつなぎピョンピョン跳ねて喜び
早速病院に向かった。

ガラス越しの新生児室で初めて弟を見たら あんなに楽しみにしていた
赤ちゃんはまるで猿のようで顔はガッツ石松そっくりでがっかりした。

母の病室に行くと 母はまだ起き上がれずベットにいて
神経質になってたんだろう、窓に自分のじゃない長い髪が落ちてきたから怖いという話を父にしていた。

私は母にどうやってお腹から弟が出てきたのか母に尋ねたら
母はお腹がパカーンと割れて出てきたと言ったので私はまた
じゃあ今もまだ割れてるの?と聞いたらそうだって言うから
怖いやら心配で。

そのうち 父と姉はどこかに行き 母と二人になった。
病室は個室だった。

ベットに寝たまま 母が私に
「これからあんまり抱っこして眠ったり出来なくなるからおいで」
と、私をベットに入るよう促した が 私は今も大きな傷が
母のお腹にあるかと思うと恐ろしくてとてもそんな事できなかった。

弟は黄疸がでたということで母が先に退院した。

私は小学2年になっていた。
ある日 学校から帰ってきたら赤ちゃんがいた!

小さなお布団に寝かされた弟は新生児室でみた時とはまるで変わり
かわいいふっくらした赤ちゃんになっていた。

すやすや寝てる弟の小さな手の平に人差し指を置いたらぎゅって
握ってきて感動した。

弟が加わった生活がはじまった。