祖母と指輪 | ひよこぶたのブログ

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今の仕事を始めて 年齢的なものも勿論あるのだけど
手が変わってきたなってしみじみ見てた。

関節が太くいびつ まあ仕方ない

見てたら祖母の事を思い出した。

ずっと市場で働いてた祖母の手は 今の私の手のように関節が太くなり
左手にはめられた金の結婚指輪は抜けなくなっていた。

祖母には娘が二人 私の母とその上に姉

私の母がまだ物心つくまえに姑との折り合いの悪さから実家に戻った時に
戦争のどさくさで結局戻らず 本家の長男だった祖父は違うお嫁さんをめとり
結果そちら側が本妻となった。

子供の頃はなぜ母とは年の離れたきょうだいがいるのかわからなかったが
その本家の家族とは普通に親戚付き合いをしていた。

昔は戦争もありそんな複雑な関係はざらにあったのかもしれない。


法事でその本家に度々行ったが無口な祖父と私の祖母が口をきくどころか
視線を合わせることも一切なかったと思う。


そんな祖母が指輪を切りに行くと言ったのは 私が小学校低学年の時

抜けなくなったからそのままにしてたのか
なんか思いがあってそのままつけてたのかは祖母にしかわからない。

一緒に街中の指輪を扱う店で切ってもらうとき
祖母の指も一緒に切れちゃうんじゃないかとハラハラした。


指輪の外れた左の薬指 その時祖母はサッパリとした気分だったのか

それから数年後 床にふせてた祖父が亡くなったとの電話を受けた母は
何事もなかったかのように そんなわけだから明日ちょっと行ってくると
言いながら夕食の続きを食べはじめた。

子供ながらに 実の父親が亡くなったと聞いた母は大丈夫なのかと
気になったが 物心つくまえに離れ口も殆どきいたことない祖父に
父親 という感覚感情はなかったと大人になってから聞いた。