
高校の時、新設高校の一期生だった私達。
戦時中、激戦地だったらしいその場所は、タクシーにのると必ずと
いっていいほど「ああ、あのお化け屋敷あったとこ」と言われた。
坂を下って校舎に向かうんだけど
見える子が多くて
一期生だから先輩のいない無人の階に、ほら、誰か走ってるとか
よくあった。
いろんな話があるんだけど、
理科室と調理室があるフロア、私も聞いたことがあるけど、
よく女の人のすすり泣く声
理科の先生が、いくつくらいだったのかなあ。今考えたらわりと若かったのかな、40代50代?
趣味で小説を書いていて職員室にいるより
理科室のとなりの小さな部屋にいることが多かった。
理科室の向こうには小川があってフェンスがあった。
夕暮れ先生が書き物をしてると、その川から女の人がくるように
なった。少しずつ話をするとやはり戦時中にその川で無念の死を遂げたひとらしく、そのうち、一緒に川にきてくれと懇願するように。
先生はフェンスまで行くがこれ以上は行けないんだよと説得
これは、学校あげてお祓いする事態になり
とりあえず落ち着いた。
不思議にほんと見える子がまわりに多くて
ある日女子更衣室でAがいきなりBに「あんたのそばに大きくて白い犬がいるよ。あんたを守ってるよ」AとBは、接点はない。私はBと友達だったが中学は違うから昔のことは知らない。
でも、言われたBは、はっとしたように犬の名を呼んだ。
飼ってた大きな白い犬、確かに数年前他界したらしい。
怖いとはちがうけどこんな話はいっぱいあるよ。