住宅特集の2023年6月号から、

西沢立衛建築設計事務所とミサワホームで設計した

佐藤様邸の観察をお送りします。

MJwoodというミサワホーム独自の木造軸組み工法で、

6LDKの家を設計されたそうです。

 

わたしは、設計事務所がハウスメーカーと組んだら、

どんなものができるんだろう?という点に

興味を持ちました。

 

↓このスケッチ2枚は私が描きました。

↑右上が北です。

2本の道路に接している旗竿地です。

 

↑北東から見た外観です。

ゆがんでいるのは、ラフに描いたからです。

 

西沢立衛さんの文章の中には、

「凸凹性、回遊性、透明性、多機能性」、という言葉がありました。

確かに、子供たちが巣立った後にも

空き室をリビングの延長として使えるように

工夫されています。

 

また、西沢事務所の植松里緒さんの文章の中には、

インテリアについて、

「回遊性のある空間を色で分け、色で繋げようと試みている。」

という言葉がありました。

 

1階は、二つの中庭(水色の部分)を、

ぐるりと居室群が囲んで、

二つの回遊動線ができています。

水回り、キッチン、玄関、階段、トイレ、が、

その動線より外側に配されています。

 

2階は、セカンドリビングを中心に、

二つの居室と一つの屋根付きテラス(黄緑色)、

それから、

二つの中庭(水色)と階段、トイレ、が囲んでいます。

 

外観写真によれば、平面図にある樹木群は

まだ植えられていないようでした。

わたしなら、中庭以外には植えたくありません。

手間がかかりますし、

「窓と隣地境界線の間」でないところに植樹計画をしすぎだと思います。

 

わたしは構造についてはよく分かりませんが、

1階と2階がキレイに重なっています。

 

こういう言い方はどうかと思いますが、

思い切って書けば、

ゾーニングはうまく行っていると感じました。

 

一方、収納が少ない、水回りの面積が小さい、

というのは、わたしが普段接しているお客さまには

我慢できないだろうな、と思いました。

 

物を干すのは2階のテラスという前提だとしたら、

わたしには耐えられません。

乾燥機で乾かすのでしょうか?

 

また、収納が少ない上、透明性を高めるために壁が少ないので、

お客様は物を置くのに苦労すると思います。

 

でも、

空間をがらんどうにした時の明快さは、見事だなぁ、

と思いました。

 

最初は、ぎょっとする外観でしたが、

構造の明快さがそのまま外観になっていることに

感心しましたし、

よく見ると雨樋がないようです。

中庭に雨水が落ちないように工夫されているようです。